まあまあ大きなガラリが、2個。
どっちかが給気で、どっちかが排気なのか。
どちらも給気、どちらも排気か。
見ただけじゃ、わかりかねる。
更に奥の下には、
室外機が並べられている。
皆、防雪フードを甲冑のごとくに纏い、
冬にやってくる風雪に備えている。
そこから大胆に延びる、
冷媒配管用のカバー。
「スリムダクト」は商品名だが
一般名詞化していたりする。
正面玄関のすぐ横には、
こういう細工は設けない。
これらは意匠的に忌避されるモノたちだから。
でも、建物の側面や背面であれば
これらが陣取っていても
あまり文句を言われることは多くない。
こいつらをキレイに隠す必要があるような類の建物じゃなければ
脇に置いておけば十分なのである。
高級ブランドが売られている小洒落た商業ビルだとか
高級レストランが出店しているとか、
国家の威信をかけた迎賓機能のある施設とか、
そういうのじゃない限りは、これでイイのだ。
正面じゃないからこそ、
コソコソせずに設備は存在できるのだ。
別に、きらびやかな表舞台は、
望んじゃいないのだ。
(「正面じゃないからこそ」おわり)