窓と、それなりに換気用のフードが並んでいる。
ここの換気フードは、表面が平になっているタイプのもの。
昔からある丸っこく出っ張ったやつじゃなくて
こういうのを採用すると、
外壁表面の凸凹感が少し減じられるかもしれない。
一番左側の窓は、出窓になっている。
少しでも、室内を広く感じさせたい。
そういう意図があることであろう。
だからと言って全ての部屋でこれをやると、
建築コストや工期に跳ね返ってくるから
この面ではこの1ヶ所で済ます、というのが
落とし所だったに違いない。
では別の面は、どうだろう?
お、こちらは居室が並んでいるのだろうか、
2面の窓が出窓になっている。
が、出っ張った窓の上の部分に、
何かついているのだ。
わかるだろうか?
窓の上、斜めになっている部分に、
板が取り付けてあるのだ。
さっきの窓には無かったけれど、
こちらの面には設けてある。
なんとなく、造り的に後付けっぽくも見える。
なぜ?
例のごとく、勝手極まりない推測をすることにしよう。
こちらの面は、下部が居住者用の駐車場になっている。
そして、北面であって、冬期には日射が無い。
冬になると、雪が振り、
こんな斜めの面であってもへばりついて、凍りついて、
ある程度の塊が乗っかった状態になる。
そして、重量と傾斜と摩擦とのバランスが崩れた時、
あるいは気候が少し緩んで暖かくなった日・時間に
前触れ無く「どしゃ」っと落ちてくることになるのだろう。
車に向かう居住者に直撃しても大変であるし、
下に停めてある車の屋根に落ちたとしたら
凹ませてしまう可能性もある。
いや、たぶん実際にそういう事態が生じてしまって
止む無く費用をかけて後から設置した……のではあるまいか。
何の根拠もない、ほんとうに好き勝手な想像でしかないけれど
無意味についている筈もないのだから。
「雪庇(せっぴ)防止板」とか「雪庇発生防止装置」とか
そんな類の名称で検索すれば、
建物やトンネル入口などに設けられた画像が
わんさか出てくるはずである。
(拙ブログでも 載せたこと がある)
寒い地域の建物の設計をする場合には、
降雪時の事も想定しておくことが必要なのだ。
得てして、意匠性とは相容れなかったりもするのだけれど。
(「その板は何のため」おわり)