FF式の暖房機だろうか。
窓の向こうになんとなく給気管と排気管らしき影が見えるから
きっとそうなんだろう。
元々は設置されていなかった暖房機を新たに付けたかった。
だけど、壁が無くって、給排気トップを出す場所がない。
壁が無いんだったら、窓を潰せばいいじゃない。
設備界のアントワネットが言ったのかどうだか
こういう造りになったに違いない。
かくして、外側の窓は、閉まらなくなった。
建具の内部であった木枠は、
内装材から外装材へとジョブチェンジした。
容赦なく吹き付ける風雨に、風雪に、
外壁タイルと同等に耐えられるや否や。
まあ、耐えられるわけは無いんだけれども
悪くなったら取り替えればいいよね。
そんなこんな、葛藤があったのかどうか。
違う場所でも、同様の造り。
こっちは更に、換気用のフードまでが
窓を亡き者にしてしまっている。
哀れな窓たち。
建築「付帯」設備と昔呼ばれていた設備機器たちが
下剋上を果たしたのかどうか。
そんな上下関係なんて、ホントは無いんだけどね。
とにかく新築とは異なり、
改修の際には何かと制約があるものだ。
それらを掻い潜って、
如何に必要とされる機能を、安価に、容易に実現するか。
それが、改修設計の醍醐味であり難しさであるわけなのだ。
で、意外と結構行きあたりばったりして
それもまた見ていて楽しいのだ。
(当事者は眉をひそめているのかもしれない)
(「後から取り付けると」おわり)