2021年11月08日

とあるトイレにて

ちょっと小用を足そうと寄ると、
足元にあるモノ。


21110801.JPG


何だか、わかるだろうか。


わからない方は、フツーの人。

わかる人は、たぶん寒い地方に住む人。
または、住んでいたことがある人。



水抜き栓、もしくはドレンバルブ用の
フロアハンドルである。



床面にフラットになっているレバーを起こして回転させると、
給水管の引き込み管側を閉止して
屋内側配管内の水を排出する機構になっている。


詳しくは、メーカーのカタログ なんかを見ると、わかる。

水道凍結が日常的である地方には、
必須のモノであるが、
日本国一般の地域に住む人にとっては
一生お目にかかることがないかもしれない品でもある。



21110802.JPG


床下から給水されているようだけれども
たとえば夜間冷え込んだりすると
屋内の水道管内が凍結してしまう恐れがあるから
暖房機や温床線巻きなどの手段で「暖める」か、
凍る水そのものを無くしてしまう「水抜き」か、
どちらかの手段が必要となるわけだ。


暖めるには、エネルギーが必要だし、
水抜きには、手間が必要。
抜いてしまう分の水は、無駄にもなる。

でも、凍らせてしまったならば
それはそれはエライ手間と苦労と費用を要する事態になるので
侮るわけにはいかない。


たまに、甘く見て懲りた方の体験談に接することも
無いわけではない。

ワタクシ自身も、苦い経験がある者の一人ではある。



寒いから、手洗いの水も冷たい。そのままだと。

というわけで、やはりお湯を出したいものである。


21110803.JPG


このトイレの手洗器の下部には
小型の電気温水器が設けられていた。


小さいけれども、それなりの値段するので
TOTOさんとかせっせと宣伝して販促に努めている。

「コロナ対策で、しっかり手を洗うには、
 水よりもお湯!」

とても説得力があるから、
自動水栓とともに需要は拡大中であるという。

商魂逞しい、と感心するか、
公衆衛生に多大な寄与をしている、と賞賛するか。
いずれにせよ、長期の低迷により衰えたと言われて久しいとはいえ、
日本国の豊かさの一端を表していると言えないだろうか。



と、この画像、
何やら右上のほうからおりてきた配管が
排水系統に接続されているように見える。


21110804.JPG


ちょっと、あまり見かけない
特殊なつながりじゃないだろうか?



この管の先は、天井内へと伸びている。
(というか、天井内から降りてきている)


21110805.JPG


トイレの外の天井部分を見る限り、
どうやらエアコンのドレン管のようである。

エアコンドレンの処理は、
それなりに悩みどころでもあるので
こういう感じもまたアリかな、ってところか。

途中、ウォーターベストみたいなやつを
つけてあるよね? きっと。

そのまま排水系統につながっていたら
天井内が臭くなるから
何らかのモノは必要なのだ。


頻繁に人の出入りがあるトイレだと、
なかなかこうじっくりと観察できないだろう。

空いてるところで、良かった。



仕事で調査する時には、
ちゃんと「調査中」って表示つけたり
時間が短い場合には、いかにも調査中とわかるように
敢えて工具カバンとかドアの所に置いておいたりするんだけど。

トイレを使おうとして何気なく入ってきた時に
なんか写真撮ったり床点検口開けたりしてたら
びっくりされるもんね。

使いたそうな人が近づいてきたら、
「どーぞ、どーぞ」って言って
その場を暫し離れていれば良いのだ。



仕事じゃないとき、
自分自身が利用者として入ったときに、
人が居ない&暫く来そうになければ
観察して、面白ければ撮る。




いろんなトイレの「ちょっとした違い」が嬉しくって撮るんだけれども
初めての子供が生まれた時に写真を撮りまくる親みたいなもので
他人が見たら、ちっとも変わりばえのない
同じような写真ばかりになっている
そんな感じで、ね。


いいんだよ。

本人が満足してるんだから。
(「とあるトイレにて」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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