2021年11月07日

小平の海岸

小平に海岸なんか、あるわけないだろ。


って、思います?


小平(こだいら)市には、確かに海岸なんか無い。
ムサビがあるだけだ。
(だけ、と言ったら怒られるか。すいません)


でも、小平(おびら)町には、確かに海岸があるのだ。
日本海に面した町なのだ。


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海岸沿いに伸びる国道脇に、道の駅がある。
そこから、日本海を見渡すことができる。
(延々と続く国道沿いからであれば、どこからでも見えるけど……)



かつて、ニシン漁が大盛況だった頃には
多くの番屋が建っていて、賑わっていたという。


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今も残されている建物は、貴重な歴史資料として保存されていたりする。


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でも、それらの資料を見ると、
昔の人たちの過酷さを思わざるを得ない。

漁をするってったって、北海道だよ。
気温は低いし、水は冷たいのだ。

夏の海水浴場だって、寒くってずっと泳いでいられないから
浜辺で焚き火をして時々暖まりながら泳ぐっていうのだ。

そもそも、泳ぐのは主目的ではなくて
ジンギスカンなど焼き肉のついでに水にもちょっと浸かろうか、
そんな「海水浴」が盛んな地域なのだ。
真夏でもそんなだ。


春、脂の乗ったニシンを獲る頃は更に寒く、冷たいはず。

現代人なら、すぐ体調を崩してしまうだろう。
少なくともワタクシならすぐ死んでしまいそうだ。



結構いろんな碑やモニュメントが建っている。


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今のような道路も自動車もない時代から
この地にやってきた人々、住み着いた人々の足跡を
現代に遺しているのだ。



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松浦武四郎。


すごい行動力であったことが窺える。


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沖縄の海のような、暖かさも、カラフルさも、
浮かれそうな陽気も、無い。


でも、心に染み入る風情が
ここにはあるように思うのだ。

(他の地にだって、あるんだけどね)


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この街道を、レンタカーで、あるいはフェリーに乗せてきた自家用車で
疾走する来道者がいる。


時間と体力とを確保して、
真っ黒になりながら(北の地でも、紫外線はちゃんと降り注ぐ)、
自転車を漕ぐ人たちも、いる。
若い人が多いようだけれど、車窓から時々壮年の士も見かける。


大きなザックを担いで歩くツワモノも、少数だけれども見る。

すごいや。

隣の街まで、何十キロを踏破しなくてはならないような場所を
黙々と歩いているようだ。


カモメが、飛んでいる。


波の音が、聞こえる。


そんな、小平の海岸。


小平じゃない、小平。

こだいら じゃない、おびら。
(「小平の海岸」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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