ラーメン店では、湯気が朦々と立ち上り
またチャーハンなどを煽る際の煙もまた激しいものである。
よって、それなりの排気設備がなければ
店内たちまち湯気と煙とが充満してしまう。
排気ファンはどこに置くか?
排気ダクトはどこに通すか?
テナントとして入る建物であれば
後付けで何とかするしかないから、
ファンは屋上に、
ダクトは外壁に。
ビカビカのステンレスダクトだったのだろうけれど
長年の排気、漏気、支持金物などの錆により
外壁ともども徐々に汚れていくようだ。
たいてい、ほんとうに少しずつ少しずつ
それらの汚れが進行していくので
毎日とか毎週とか見ている人にとっては
ほとんど気にならないことだろう。
でもそうではない人がみると
「なんか、キタナイ。汚れてる」
意識にものぼらない、
そんな漠然とした印象だけを残すことがある。
ただ逆に、むしろそんな所こそが
老舗感を醸し出して食欲をそそり
集客につながるかもしれない。
意図してやるか、
意図せずしてたまたまそうなるか。
商売って、難しいものだと思うのだ。
(「排気は屋上から」おわり)