2021年10月10日

連立小便器の改修

先ごろ自公連立政権(もう長いこと続いている)が新しくなったけれど
設備業界で連立と言えばやはり小便器であろう。

勝手に決め付けて申し訳ないが。



とある連立政権、いや、連立小便器。


21101001.JPG


すべて個別のセンサー洗浄方式になっている。


元々は手押しのフラッシュバルブ方式であったものを
自動化した感じである。


自動フラッシュバブルの陰に、一部「表示板」が残されている。

(これをちゃんと読んで「なるほど」と思ってくれる人が
 どのくらい居るものか……)



ライニング内の給水管がだいぶ劣化してきていると
給水管ごとやり変えたいのだけれど、
ライニングをぶっ壊すのは費用がだいぶかかってしまうから……
という場合には、給水管を露出でやり替えていることもある。


21101002.JPG

あんまり見た目は良くないけれど、
数日間使っていればじきに慣れてくる、かな。


元々の給水管の孔は、埋めてあるだけ。
化粧っ気も何も無い。

けど、機能は果たすからいいよね。

そういう割り切りがあったことだろう。



昔むかしの連立小便器であれば、
ハイタンクが据えられていて
そこから連立用の洗浄管を経て各便器が一斉に洗浄されるしくみになっていた。


上方のハイタンクに横水栓からジョボジョボと常に給水されている様子を記憶しておられるとしたら
結構な年配の方ではあるまいか。



そんなトイレは部分改修や全面改修を経て
ほぼ見られなくなってきている。


でもその面影は、どこかしらに残されていることもある。


21101003.JPG


壁面にハイタンクが2個据えられていて、
4台連立と3台連立とを組み合わせていたことであろう
そんな名残。



既存の給水管や洗浄管を利用しつつ、
苦心して接続した痕が垣間見られる。


床下にはきっと、古い鉛管や鋳鉄管が見られることだろう。



やがては、改めて全面改修される日がくるのかもしれない。

そうすると、こんな苦心の痕も
ハイタンク時代の名残も、
全部一掃されてしまう。



ピッカピカのきれいなトイレは気持ちの良いものだけれども
古い「せつび屋」のノスタルジーをくすぐるような
こんな改修っ気満載のトイレも少しは残っていて欲しいものだ。



誰かお金の有り余っている人が
「設備の変遷博物館」なんて造ってくれやしまいか。


「そんなにトイレがいっぱい有っても
 あちこちで用を足せやしないよ。
 犬のマーキングじゃあるまいし」


ごもっとも。


でも、なんか楽しそうだなぁ。

でも、来館者少なそうだなぁ。
(「連立小便器の改修」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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