するとそこには、換気ガラリがある。
プルボックスや、電線管や、流体の配管とともに。
外壁を伝う、茶の色水が一番目立つかもしれない。
配管類は、ごちゃごちゃ管によって
その在ることを主張する。
となれば、結構大きな換気ガラリであったとしても、
それほど目立たないのではないかと
言えなくもなかろう。
もっともこれにステンレスの防風板などが取り付くと
その輝きにおいて、目立ってしまうかもしれない。
では、それを除去しさえすれば
大きな換気ガラリも他の要素に埋もれされることが可能であるはずだ。
建物の内外を連絡する、換気用の開口部は
どうしても必要なものである。
であれば、付くのは当然のこととして、
その上で「付け方」を考えるべきなのである。
防風板に意匠的な何かしらの措置を施したものを
ほとんど見ないのだけれど、
意匠設計と設備設計との狭間に、
建築施工と設備施工との隙間に、
それに対する配慮というものが
埋もれてしまっているからなのであろうか。
(「換気のガラリは目立つかな」おわり)