日本語では「動物化石」と表記されているけれど、
英文表記では「Museum of Paleontology」であって、
直訳すれば古生物博物館ということになる。
敢えて合わせなかった理由は、
きっとどこかにあるに違いない。
ここには「フォストリーあしょろ」とも書いてある。
さて、「フォストリー」って、何?
説明が書いていないので、よくわからない。
fossil + story ってことなのかなぁ?
デスモスチルスの復元模型みたいなのだけれど。
ただしこれは当初の復元案で、現在は歩いていたのではなくて
水中を移動していたのではないかということだそうだ。
アプローチが、何か化石っぽい感じ。
極めて主観的な感じ方でしかありません。
コンクリートの塀と、博物館外装との対比。
トップライトが、特徴的になっている。
足寄町の位置、わかりますか?
北海道の中央より東寄り、
空港なら、帯広空港が一番近いだろうか。
束柱類の化石が展示されている。
柱が束になったような歯を持つ化石なのだけれど、
現生の動物に同じような形態のものが居ないので
何を食べていたかは謎であるという。
不思議な生き物が居たものだ。
日本列島が大陸の一部だった頃の化石なんだという。
誰がどんな研究によってこのように唱えたのか
きっと詳しく調べればわかるんだろう。
見学者としては「へえ、そうなんだ!」と見るしかない。
主たる展示室は、この空間。
天井中央が光っているのは、前の画像にあったトップライト部分である。
展示物に直射日光があたるようだが……良いのか?
ダメなら遮光しているはずだから、きっと良いんだろう。
いろんな骨が置いてあるが、すべてが化石というわけではない。
レプリカもあるし、現生の動物の骨格標本もある。
地質学的には比較的新しい年代のものから現代のものまでであるから
古生代の本物の化石のような厳重な管理をする必要性が乏しいのかもしれない。
デスモスチルスは、当初は陸を歩いていると考えられ、
そのような復元模型が作られていたのであるが、
いろいろな説の変遷があって、
現時点では水中で暮らしていたものと想定されているという。
復元模型案がどのように変わっていったかがわかるように
展示されている。
現生の生物の骨格標本は、たとえばこんなやつ。
浜に打ち上げられていた死体を処理して運んできたという。
骨だけを見て、何のものかわかるだろうか?
もしも現在このような生物が居なくて
この骨が化石で出てきただけであったとしたら
なかなか生きていた時の姿を推定するのは難しそう。
軟部組織は失われてしまうから、
こんなにでっかい頭部があるとは気づけないんじゃないだろうか。
となると、骨格だけを見て想像していた古生物が
実はかなり異なる形態であった、なんていうことが
まだまだ残されているのかもしれないなと思ってみたり。
コロナの影響で、
この類の施設に訪れる人は全世界的に激減していることだろう。
学術的・文化的には、何とか存続して欲しいし
公共の施設であればそれなりの予算措置を取ることであろう。
民営だと、かなり厳しい場所もあって
実際に閉館に追い込まれたところも決して少なくはなかろう。
せめて、コロナ明けの暁には
せっせと巡りたいものである。
コロナ下であったとしても、
場所によってはほぼ貸し切り状態であるから
それなりの注意すれば訪問は差し支えないところも
多いのではないだろうか。
その加減が難しいし、結局各自の自己判断になってしまうから
(そしてその判断基準は個々人で皆異なるから)
全面閉鎖を求める人も居るだろうし、
もっと多く人を呼んでも良いのではないかと考える人も居るだろう。
政府や自治体、医療機関、各職種などで
本当のところは誰にもわからない。
たぶん何年かを経た後に、
結果としてアレが良かった、アレがダメだった、という見解が
出てくることだろう。
感染拡大防止対策にしても、
ワクチンの効果や副反応などについても、
ひとまず現時点ではこう言えるだろうということと、
実はそうじゃなかったと後から判明することなど
全知全能の神じゃないんだから、誰にもわかりゃしない。
そんな中で、各自が己の考えや信念や確信や思い込みなどに基づいて
行動し、あるいは他を非難し、時として攻撃している。
ま、それもわからんでもないんだけれど、
自信満々で発言している人がいたとしても
その信憑性については正確に判断しようがない。
今、自分が接している情報に基づいて、
自分なりに判断し、行動していくしかないのである。
「判断しない」とか「気にしない」なんていうのも含めての「行動」である。
ともかくも、事情が許すようになったら、
ぜひ足寄へ!
(「足寄動物化石博物館」おわり)