開拓当時の石切場の面影を残す公園 として造成された公園である。
今でも札幌市内や周辺地域に多く見られる「札幌軟石」を切り出していた場所の一つを、まるごと公園にしてあるのだ。
あちこちで接道しているので、どこが正面入口かと問われると
難しいところかもしれないが、
メインエントランスっぽい構えのある部分があった。
ここで採れる石を主とした構えが、立派である。
石山緑地、札幌市、と彫り込んである。
文字は墓石のようにカッチリと彫ってあるのではなくて、
ドット画っぽく表現してある。
近づいてしまうと、却って判別しにくくなる。
せっかくの石畳なのに、
それ用の化粧マンホール蓋なのに、
目地を合わせて嵌めていないところが
商売上気になったりする。
なんでよ。
「石山」公園なのだが、公園(の半分だけ)の模型は
鉄板で作られていた。
石だとすぐ欠けてしまいそうだし、
軟石だから、こういう細かな細工には適していない
ということなんだと解釈した。
等高線に沿って厚紙を切って重ねていく、
「立体地図」を作ったことがあるだろうか。
あの雰囲気になっている。
広場にある、カナル。
訪れたのは春先なのだけれど、
夏になるとここに水を流すのだそうだ。
子どもたちの水遊び場となるのかもしれない。
ここの軟石は、支笏火山の火砕流を元にした
溶結凝灰岩であるという。
ガッチリ固まっているため、石材として切り出され
各所の建材として利用されている。
上のほうは降り積もった火山灰が堆積し固まった凝灰岩。
風雨によって徐々に削られ、少しずつ形を変えていることであろう。
上部から土が落ち、そこから木が芽を出して
花を咲かせるに至ったりしている。
この公園に面して、平屋の老人福祉センターが建っている。
そしてさり気なく「熊注意」の貼紙。
人口190万人を超える札幌市だけれども、
近年市街地にまで熊が出没するようになってきているという。
シカやキタキツネは前から結構出ていたようだけれども
熊はそれほどでもなかったはずなのだが。
市街地の拡大、気候変動、生態の変化、などなど原因はあるだろうが
ヒトにとっても出てくるクマにとっても、
鉢合わせは不幸なことに違いない。
街灯の根巻きのような形で
軟石が配してある。
こういうのは、フツーの造園屋さんの発想じゃないよな、
と思ったらやはり 造形集団 CINQ のデザインである と説明されていた。
庭園灯も、洒落てると思いません?
地下鉄の真駒内駅からバスに乗るか、
レンタカーで行くか、
それほど便利な立地ではないけれども
行ったらきっと面白いはずである。
でもとにかく、どこに行くにも
コロナにカタがついてからじゃないと
難しいかな。
(「石山緑地は凝灰岩公園だ」おわり)