その窪みに室外機が2台。
頑丈な鉄格子扉によって
厳重に監禁されている、かのような。
室外機って、見た目あんまり良くないし、
こういう感じのキレイなレンガ調の外装には
そぐわないと感じられるのも、致し方ない。
ではあるんだけれども。
これはこれで、ちょっと可哀想。
あんまり厳重に囲ってしまうと、
本来の「冷媒と大気との熱交換」が阻害されてしまって
期待していた冷暖房能力が発揮できない可能性は高まる。
見た目と、機能。
いつだって相反する価値観なんだと思うのだけれど、
そこのことろをうまく折り合いをつけてこその「設計」なんだと思う。
見た目だけ重視したり、
機能だけ重視したりしていたのでは
全体として調和の取れたモノにはなるまいて。
どっちも良い状態を目指し、
全世界の意匠屋さん、設備屋さんが
日夜励んでおられるはずなのである。
得てして、どちらかが超優秀で、
圧倒的に立場や発言力が強い場合に
ちぐはぐな結果が待っているような気がするのだけれど
どんなもんだろうか?
「どちらかが」なんてことは、無いか。
設備側が「強い」なんて、あり得ないからね。
「設備」を、どこに置くか。どう隠すか。どう魅せるか。
実のところ、業界関係者ではない一般の利用者にとっては
あんまり気になっていない、意識されていない部分だったりするんだろうから、
じつは「自己満足」の域を出ないものなのかもしれない。
(「隠された、室外機」おわり)