今から800年以上も昔の出来事なのだけれど、
いろいろな物語の中で息づく、九郎判官源義経。
兄頼朝に追われ、東北から北海道へ、更に大陸に渡って
チンギス・ハーンとしてモンゴル帝国に君臨することとなった、
などの物語が存在している。
史実云々は一切抜きにして。
なんと、北海道東部にも、その足跡というか何というかが
残されているのである。
北海道本別町。
町内に 本別公園 が整備されているのだが
公園にひときわ目立つのが 「義経の館」 である。
この地に、義経と弁慶たちが逗留していたという伝説(?)を元に
建てられているのである。
義経の家紋である笹竜胆が堂々と掲げられている。
「資料室」と称する部屋には、義経らの像が並べられ、
伝説が記された小冊子などが置かれていた。
歴史資料的な価値は一切無いはずではあるが
面白いというか何というか。
ここまでやるか、という感も無くはない。
裏側には池が築造されていて
そちら側にも笹竜胆。
電気の照明器具や、換気用のフードや、非常ベル、
ガラスやサッシや鉄の手すりなどはご愛嬌。
そもそも、鉄筋コンクリート造だし。
それっぽい雰囲気が出ていれば
良いのである。
考古学的価値だとか、そういうものを求めている施設ではないのだから。
館の裏手にある、池。
かぶと池、と称する。
兜の形、なんだそうだ。
ボートなんかに乗ることができて
楽しい公園として遊ぶ場所なのである。
広場、キャンプ場なども整備されていて
広い広い北海道をドライブして回る場合に
宿泊地の候補の一つとして採用可能な場所でもある。
冬は寒くてダメだろうけれど、
暖かい時期であれば、爽快な北の空気を味わうことができよう。
ただ、北の大地をナメたらダメである。
朝晩は、かなり冷え込む時がある。
それが何月であったとしても。
何月頃は、だいたいこんな気候
旅行ガイドなんかには、そんな情報も載っているものであるが、
北の大地ではあまりあてにしないほうが良い。
統計的に平均すればそうなのは間違いないのだけれど
日によって、年によって、変動がものすごく大きい。
週間予報なんかがあったとしても、
目的の日の気温予想なんかも毎日みるみる変わっていく。
低気圧や前線の動きなどで大まかなことはわかるのだけれど
ほんとうのところは、実際になってみないとわからない。
・夏なのに、すんごく寒くて風邪ひいた
・北海道は涼しいと思ってたのにむちゃくちゃ暑かった
・長袖を持っていくべきだった
・暖かい衣類も持っていったけど、全く不要だった
それらは、たまたま行ったその日がそうだっただけなのだ。
口コミなんかは、話半分に見ておくのが良かろう。
ああ、そういう日もあったんだなぁ。くらいに。
一期一会の体験。
それが、北の大地(に限らず、本来、旅とはそういうものだ)の楽しみ方なのである。
さて、義経伝説の地は、いかがであろうか。
なかなか、行くのは大変なのだけれど。
とにかく、距離があるから。どこから行くにしても。
(「ここにも居たのか義経殿」おわり)