手洗器自体、古いタイプのものだ。
よく厨房出入り口付近なんかについていたやつ。
そして、元々立ち水洗が取り付けらるはずの孔は塞いであって
上部壁(ライニング)に自閉水栓が取り付けてある。
今どき、どこに行っても自動水栓が見られるけれど
自閉水栓もごくたまに見かける。
頭の部分を押すと水が流れて、
一定時間経過後に水が止まる。
普通の蛇口だと、ひねって水を出して手洗いしたあと
もう一度ひねって水を止めない限り、流れ続ける。
手を洗ったら安心してそのまま立ち去る人が
ごく僅かとはいえ存在する。
そういう人が一人でもいると、
次に違う人が来て気づいて止めるまで
延々と水が流れ続ける。
水道代もかかるし、何より資源の無駄である。
飲んで差し支えない高質な処理を施した水を
ただ無為に捨ててしまうだけなのだから。
これを避けるべく、
一時期の公共トイレには
この自閉水栓があちこちで見られたような気がする。
公園のトイレなんかで、水が出しっぱなしになっているのを
実際に何度か見かけたことがあるから、
それが防止できるなら十分に効果があるだろう。
製品品番(TL 19)がわかれば、
TOTOのサイト で詳細情報がわかるから
便利である。
この自閉水栓、どちらかというと洗面器用なので
手洗器と組み合わせると少々デカく感じるけれど
仕方あるまい。
用は果たすのだから、問題は無いのだ。
自閉水栓の欠点を敢えて挙げるとすれば、
ちょっとしか水が要らない時であっても
一定時間が経過するまでは水が出続けること。
また、ある程度長時間水を使いたい時でも
一定時間経過後は止まってしまうから、
何度も押す必要があること。
などであろうか。
今でも、公衆浴場の洗い場で、自閉式のシャワー水洗は
結構見かける。
カラン側はだいたい洗面器1杯分溜まるくらいの水(湯)が出て
止まるように設定されている。
シャワー吐水については、施設ごとに設定時間にかなり違いがあって、
かなり短時間ですぐ止まってしまうところも少なくないように感じる。
少し面倒ではあるけれど「節水」(ひいては施設側の経費節減)という観点では
それが正解ではあるのだろう。
ただ最近は、手洗いにおいては自動水栓が一般化している。
センサー感知による吐水なので、非接触で済み、
昨今のコロナ下にあって
爆売れしているという。
TOTOさんからも、納期がすごく延びちゃう旨の
お知らせがあった。
電気配線が必要だったけれど、
最近は自己発電式のものもあって、
より自由度が増している。
でも、高いんだよねぇ、まだ。
立水洗と比べて、自閉水栓はだいぶ高いし、
自動水栓になると更に高くなる。
数があると、イニシャルコスト差が結構すごくなる。
その分の費用を捻出できるか、というのが従来の懸案だったのだけれど
新型コロナを契機に非接触化の優先度が上がり、
ジェットタオルの代わりに、こちらに費用をかけやすくなってきた。
設備業界の人間としては、まあ、良いことかなと。
でも、手動のシングルレバー混合栓もそうだけれど、
ウォーターハンマー対策は、ちゃんとしておいたほうが良い気がする。
結構、ガンガン音がしちゃうから。
この手洗器、
排水部は古いまま。
壁導入部のカバー、結構外れてるのを見るんだよね。
施設の管理をしている人、定期的に見回ってないのかな。
見て、そのまま放置しているのかな。
そのへんが、ちょっと気になる今日この頃。
(「手洗器の自閉水栓」おわり)
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