2021年06月22日

天吊機器の振れ止めがあるかどうか

天吊になっている機器は、
じつにたくさんある。



設備機器とか配管とかダクトとか、
一般の人にはあんまり認知されていないから
それらが天井に配置されていることにも
特に疑問はないはずだ。


なんとなく、そこにある


くらいにしか、感知していないことだろう。



もし意識されることがあるとすれば、
大地震などでそれらが落ちてきた時。


でも落ちるような事態になったら
危険極まりないのだけれど。



では、天吊形のエアコン室内機がある部屋の
天井内を見てみようか。


21062201.JPG


天井点検口を、開ける。



硬貨やマイナスドライバーで開けられるタイプだと
調査し易い。


でも最近の建物には
鍵付きの天井点検口が設けられていることも多く感じる。


ここから天井裏に入り込む輩が、
ある程度存在するということなのだろうか。



そういえば以前、
公衆トイレの天井裏に住み着いていた人の記事が
出ていたような気がする。



調査の際にいちいち天井点検口の鍵を借りなくちゃならないのは
結構面倒なんだけれど。

どうせPSやDSの鍵も借りるんだから、
一緒っていえば一緒なんだけれどもね。



さて、中を見てみよう。



21062202.JPG



天井下地の支持材と混在しているけれど、
天吊室内機を吊るための金物が、しっかりと取り付けられている。


既存の鉄筋コンクリート造の建物に
後付けで設置したものらしく、
あと施工アンカーにて吊りボルトが吊られている。



21062203.JPG



機器は4点吊りなんだけれども、
4点吊るだけでは、ゆらゆらと揺れてしまう。


大地震動があると、機器と天井下地との揺れの違いによって
天井が破壊されボードがバラバラと崩れ降ってくる恐れがある。


だから、4本の吊り棒を斜材でバッテンにつないで
振れ止めを設けている。


振れ止めを取り付けるための金物 も
いろいろ販売されている。


実際に揺らしてみた実験動画 などを見れば
振れ止めの必要性が一目瞭然でわかるだろう。



「耐震改修」と称して、
構造体の補強をして満足しているところがあるかもしれない。


でも、ちょっと待った。


天井吊りになっているものや
壁掛けになっているものが
大きく揺れて何かを破損する危険はないか、
落下してしまう危険はないか、
そういうところも含めての「耐震改修」のはずなのだ。



建物は倒壊しませんでした。補強したからです。

でも、いろいろ落下してきて、多くの犠牲者・負傷者が出ました。


では、洒落にならないのである。



振れ止め、してある?
(「天吊機器の振れ止めがあるかどうか」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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