天井仕上げを解体。
いろんな配管が姿を現すのである。
何度か改修が繰り返されてきていたようで
さまざまな配管材料、保温外装材が入り乱れていて
なかなかに面白かったりする。
網がかかっているやつは、どうやら汚水管で
しかも鋳鉄管のようだ。
やたらと節がある。
そこから取り出されている通気管は塩ビ管で
いかにも後付けっぽい。
綿布巻きになっているのは、雑排水管っぽい。
天井内隠蔽になる部分の保温外装まで
こんなに凝っていたなんで……。大変。
小便器が連立していた部分の天井内には
自動フラッシュバルブ装置が隠されていた。
いつの時代にか、
ハイタンク洗浄方式からこれに交換したのだろう。
現代だったら、個別感知センサー式フラッシュバルブが
当たり前になっているけれども。
時代とともに、せつびは変わるのである。
古い施設の天井内、壁内、ピット内には
古い時代の、せつび遺産とでも呼ぶべきさまざまなアイテムが
ひっそりと眠っている。
そんなモノたちを発掘して
撤去解体されるまでの一瞬、せめて愛でようじゃないか。
たとい、他に誰も関心を持ってくれないとしても、だ。
そんな仲間も、きっとどこかに存在していることだろう。
……たぶん。
(「古い便所の天井内は」おわり)
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