冷やされた空気からは、結露水が生じる。
空気の中に含むことができる気体の水の量は限られていて
温度が低いほどその量は少なくなる。
だから、冷やした結果含みきれなくなった水は
気体から水に変わって出てくる。
「出てくる」は変な言い方で、
実際にはそこにあった気体が液体に変わるだけなのだけれど
気体の水は人間の目には見えないから
液体になったことで「出てくる」ように見える。
これを、ギョーカイでは「ドレン」と称する。
このドレンは、そのままにしておくわけにいかないから
配管を通して排水されるべきなのだ。
気体と異なり、液体は高いところから低いところに流れる。
(「超流動」が起こるのは、特殊条件下だけだ)
だから、いわゆる排水と一緒で
自然勾配にて排出されることになる。
それが可能ならそうするし、
それが不可能な場合には、
一度溜めてからポンプアップしてやることになる。
天井吊タイプの室内機には、
たいてい「ドレンアップメカ」が内蔵されていて
天井内ある程度の高さまで汲み上げて
以降は自然勾配でどこかへ持っていくことができるように
なっている。
壁掛形の場合には、
壁の裏などにドレン管を通すことができれば良いのだけれど
条件によってはそれができなかったりする。
となると、別途、ドレンアップの装置をつけることになるわけで。
室内機の右側についている、
結構大きなボックスが、それ。
結構、目立つよね。
でも、条件によっては仕方がないのだ。
機能、見た目、納まり、費用、その他もろもろの条件によって
一番マシなものを選ぶわけである。
これを内蔵にしちゃうと、
「圧倒的に安価な壁掛エアコン」ではなくなってしまうから
オプション対応にするのも致し方ない。
そういうものなのだ。
(「壁掛形エアコンのドレンアップ」おわり)