何やかや移動することもあって。
こういうご時世だから、
頻繁にというわけじゃないけれど
それでも現地に行かなくちゃならない仕事もあって。
緊急事態宣言は解除の方向であるけれど
そして諸外国と比べるとかなりマシな状況ではあるけれど
それでも交通関係は非常事態が続いている感じではある。
閑散とした、中部国際空港。
「セントレア」と名付けられている。
ここに限るまい、
各都道府県に、場所によっては複数ある空港が
どこでも大変なんだろう。
減便・欠航がかなりあるため、
搭乗率はそれほど低くない印象ではあるが
確かに便によっては満席となるものも出てはいるが
移動する人間の総数が激減したまま
1年過ぎようとしていることに変わりはない。
ここセントレアでも、
ボーイング787型機の実機展示がなされている
フライトパーク も、営業をやめてしまうのだという。
いつも国内外からの観光客で賑わっていた飲食・物販店舗は
軒並み営業中止または退店してしまっていた。
「臨時休業」が常態化してしまっているから
「臨時」でもなんでも無い、シャッター街と化している。
フードコートも、
すべての店がやっていないから
ただの休憩コーナーになっていて、
しかも人が居ない。
電気代を食うだけの空間となっていた。
たとい人が居なくても、
「せつび」はある程度働かざるを得ない。
これだけの器を維持するために
相応の設備が設けられており、
ある程度容量・出力を抑えた運用をするにしても
毎日毎日多くの経費を食っているはずだ。
航空会社カウンターの側面、
おおきな設備ガラリ(そのまま建具として開くようだ)と
上方にある、おそらく吹出口、
そして消火栓ボックスの類。
住宅や、ちょっとしたオフィスとは比較にならない
大容量の「何か」が入っているはずだ。
出発ゲートのフロアも
もうじき発つ機のゲート周辺以外には
およそ人が居ない。
コンセント付きのソファは使い放題だが
一人で何個も座ることはできない。
ガラス面下部に並ぶ吹出口から
どの程度給気しているのかわからないけれど
ひょっとすると間欠運転などでしのいでいるのかもしれないけれど
とにかく維持費はバカにならないだろう。
花も綺麗に飾られているが……
目にする人の数が、とにかく少なかろう。
手入れに要する人件費は変わらないのに。
インフラ、物販、物流、交通、ゴミ収集、医療など
社会維持のために必須である職業を
エッセンシャルワーカーと呼ぶのだ、と
コロナ下にあって初めて耳にした。
世界的艱難にあって、意識されるようになったのである。
「せつび」は
建物における「エッセンシャルワーカー」なのだ。
施設維持のためには、最低限、動かざるを得ない
そんな領域なのである。
こんな中で、
やむなく休業しているホテルや施設や店舗も数多くある。
しかし、再開する際には
「せつび」に関して、注意が必要だ。
長期間動かしていなかった、
冷暖房、換気、給排水、電気、防災などが
ただスイッチ(やブレーカー)をオンにするだけで
問題なく使用できると思わないことだ。
動かす前に、
たとえば各所の衛生器具のトラップに注水するとか
受水槽や高架水槽は清掃し直すとか、
フィルターがカビていないか確認するとか
センサーやフロートなどで動くはずの機器類へ
正常に信号が送られるかどうかとか、
建物全体の設備システムを理解している人による
事前確認が必要なのだ。
けれども。
蒸気ボイラを置いてあるために
常駐の設備要員が居たような昔とは異なり、
機器ごとに別のメーカーがその部分だけ管理して
済ませるようになってしまっていることが多い現代。
「建物全体の設備システムを理解している人」
なんて、存在しなくなっている。
だから、
再開した後にはトラブル続出で、
そのたびに設備屋さん電気屋さんが
緊急の呼び出しを受けて、
ゼロから原因究明を始めて、
事後対応に追われることになるのだろう。
もしくは、クラスターが発生して初めて、
封水切れの排水系からウイルス拡散が生じていることが
判明したり、
謎の体調不良者続出によって
ホコリや菌類が繁殖したダクト系統であることが
認識されたり、
そんな諸々が、
全国でポツリ、ポツリと報道されるようになるのかもしれない。
世の中の「せつび」の
放ったらかしの程度が
顕になる機会になるのかも、しれない。
(「人は居なくとも設備ははたらく」おわり)
「そこにあるのが観えますか」を拝見させていただいていました。
私、稼業が設備業であるため1級管工事の資格を取得するため、昨年春から勉強してまいりました。
現場経験のない50代の主婦ですので、わからないことばかりで大変苦心しているところに、偶然見つけたこのブログ。試験勉強にも参考になる記事で、大変お世話になりました。
実際の写真(ポンプや空調配管等)も参考になりました。
お話も楽しく気分転換にもなりました。
合格できましたらお礼にコメントさせていただくつもりでいました。
お陰様で何とか合格できました。
本当にありがとうございました。
これからもずっと素敵な尊敬できる設備屋さんでいてください。
またブログ楽しみに拝見させていただきますね。
1級管工事合格の由、おめでとうございます。
何か少しでもお役に立てたなら幸いです。
日建学院さんが講座テキストで写真を1枚使って下さっていますが
やっぱり写真があると文字だけよりもいいかな、と
目に留まったものは普段から撮りまくってます。
誰かのため、というよりは自分の趣味みたいなものですが
「たのしいせつび」をこれからも追いかけていきたいと
思っています。
よろしければ、今後もぜひいらして下さい。
私も丁度1級管工事に合格しまして、たまらず書き込みをさせて貰いました
伸縮間継手や通水試験配管等、普段誰も気にもしないことも
理由付けで写真付きで解説頂いて大変勉強の役に立ちました
面白い記事ばかりで「いいね!」みたいな反応もしたいのですが
お伝え出来なくてもどかしいばかりです、陰ながら記事の更新を日々の楽しみにしています
私も設備屋の端くれとして監督から愛のある指導を受けながら・・
精進していきたいと思います(苦笑
1級管工事合格とのこと、おめでとうございます。
撮れるものはとにかく撮っていますので
数撃ちゃ当たるで、
何かご参考になる部分もあったとしたら
嬉しい限りです。
> 普段誰も気にしないこと
設備なんて、そんなものですよね。
そこに、敢えて踏み込んでしまえ! というブログです。
「愛のある指導」と昔は言ったのでしょうが、
最近はパワハラという4文字で表現されることが
多くなったようです。いいのか悪いのか。