広いガラス面を設ける建物は、ある。
意匠的には、
ガラスの透明感は何としても欲しいところが、ある。
けれども
どんな高性能断熱ガラスであったとしても
一般的な断熱材付外壁に比べれば
「断熱性能」なんて無きが如し。
コールドドラフトは、
起こらないわけがない。
だから、
ガラス面の下部には
放熱器が、欲しい。
全スパンに渡って
弱くていいから放熱するものがあれば
理想的なのだろうけれど
そうではなくても有るだけで効果はあろう。
床暖房、という手もある。
窓付近は、放熱パイプのピッチを狭くする、
なんてことも出来よう。
もしも、このような出っ張りが気になるなら、
床面にグレーチングを設けて
その下に放熱器を収めることだって可能だ。
そういうことが出来るかどうかは、
意匠設計者がそれを知っているかどうかにかかっている。
プランが固まってしまったあとに、
取ってつけたように設備設計を慌てて外注したのでは
取ってつけたような設備を設けるしか
選択肢がなくなるのだから。
ま、でも結構、
この類の放熱器は
一般の方々の視界には入らないものだ。
あまり隠そう隠そうとしなくても
まったく構わないのかもしれない。
(「ガラスの下の、放熱器」おわり)