それが箱根登山鉄道である。
一般的に「箱根登山電車」という名称が使用されるが、
正式には 箱根登山鉄道の鉄道線 ということになるそうである。
2007年の土木遺産に認定されている。
小田急のロマンスカーが、
箱根湯本駅まで通じている。
御殿場線や千代田線との直通運転をしている。
都内から直接乗り入れできるのが魅力である。
小田原駅以降、かなりの急勾配で鉄路が敷設されていて
建設にあたってはスイスの鉄道を参考にしているということである。
箱根湯本駅に停車する特急列車の姿は
エレガントである。
時代とともにいろいろな変遷を辿っているが、
現在は箱根湯本駅で乗り換えて
その先に進むことになっている。
小田急(狭軌)と登山電車(標準軌)では軌間が異なるため
いろいろと難しい側面があるのである。
箱根湯本駅から小田原方面に向かう線路を見ると
三線軌条になっているのがわかる。
左側が標準軌、右側が狭軌となっていて
前方で合流して三線軌条になっているのが
わかるだろうか。
登山電車の車庫が、この先の入生田駅にあるためであるという。
分岐器も複雑になっている。
かつては箱根湯本〜小田原間すべてに三線軌条を採用していたらしい。
メンテも大変だったことであろう。
都内の地下鉄線では、周辺の私鉄との相互乗り入れを行っているけれど
軌間が同じもの同士でなければそれができないため
組み合わせには限りがある。
ま、何が何でも乗り入れを実現するために
軌間を変えてしまった鉄道線 もあるそうだけれど。
この箱根登山鉄道、
箱根湯本から上部は
更に勾配やカーブがきつくなり、
文字通りの「登山」感覚となる。
箱根の地そのものも
見たら楽しいのであるが、
鉄道線だけであっても行く価値は
あるんじゃなかろうか。
(「箱根登山鉄道は土木遺産である」おわり)