りつりん公園である。クリリンじゃない。
都市中心部近くに位置する広大な公園は、
江戸時代に造られたという。
「特別名勝」となっている。
各所に池を配し、展望用の山や建物を配置した
大層豪華な公園なのである。
背後にある紫雲山を取り込んだ
まことに風光明媚な場所である。
ザ・日本庭園。
池の中に配した中島に植えられた木も
とことん手入れされている。
これを維持するのに、
一体どれだけのマンパワーが投入されているのか、
そう感嘆せざるを得ない、そんな庭園。
各所にかかる太鼓橋や
優雅に泳ぐ大きな色とりどりの鯉たち。
樹木の枝ぶりも、
創建時から数百年を経て当初とは異なっているにせよ
現代に受け継がれている。
建築物も保存されていて
見事である。
いかにも温暖地の造り、ではある。
栗林公園自体に入園料がかかるが、
この建物は別料金だ。
正確には、ここは茶房。
一服すれば、中も見学できる。
掬月亭 と書かれている。
が、残念ながら、読めない。
いや、ここだけではない。
園内のいろいろな看板の文字が、
とにかく読めない。
常用の漢字じゃあない。
よって、漢字の下に記されているローマ字を見て
きくげつてい という名であることを知る。
命名されたのが、築後百年って……。
なかなかの、歴史的建造物である。
四国は高松。
日本の中では温暖地の一つではあるのだが、
更に暖かい地方の植物も配されている。
松などと並んで、南国な樹木ではないか?
近寄ってみると、よく分かる。
琉球産のソテツなんだとか。
これまた、読めない。
ほびう ということらしい。
園内、大層広い。
広場も有している。
の〜んびり過ごすに適している。
まあ、天候・気候によるだろうが。
池の各所には、蓮も多数。
こんなに茂っている場所も。
この樹木は、だいぶ御老体である。
創建当時の樹木は、
どのくらい残っているのだろう。
赤い岩が露出した壁。
酸化鉄を多く含むのだろうか。
そして、滝。
かろうじて、おけどい滝と読める、かな。
人工の滝なのだそうだ。
しかも、当初は家来に水を汲み上げさせて
流していたのだとか。
まあ、そういう時代だったんだろう。
もちろん現在は、ポンプで送っているはずだ。
池の端の石の上に、
なんとも精巧な石細工が置いてあるなぁと思ったら、
動き出した。
ホンモノだったのかよ。
単に甲羅干ししてたんだね。
うどん県であるからして、
園内にも当然にしてうどん屋がある。
まだ開いてなかったけど。
建物の感じを意識しているのかいないのか、
自販機とか室外機とか
結構無造作に置いてるように見えた。
裏手にいろいろ並んでいるのは、
まあ、当然なのかもしれない。
こんなところを覗いてみて撮ろうなんて奴は
そんなにいないだろうから。
くりりん、じゃなくて、りつりん公園。
いろんな季節に行ってみたい、
そんな処だ。
ゆったりと時間をとって、
じっくりと堪能したいものである。
入園料は、大人410円。
この公園でこの料金は、
非常にオトクである。
うどん県ではあるけれど、
うどんを食するだけではなくて、
こういう場所を見てみるのもまた
乙なんじゃなかろうか。
(「クリリンじゃなくてリツリン」おわり)