2020年11月28日

ベアマウンテンは熊サファリ

狩勝峠の十勝寄りに
サホロリゾート がある。


その敷地内に、
一風変わった動物園(?)が存在している。

そこに居るのは、ヒグマ。


その名も、『ベア・マウンテン』。



敷地周囲を作で囲まれてはいるが、
熊たちは檻の中に居るのではなく、
自由に歩き回る。


サファリパーク状態の、施設である。



檻の中に入るのは、人間。

これに乗って、敷地内を巡ることができる。


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車輪保護の鉄板が
付加されている。


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このバスの発着場は、
冬にはスキー場となる。

だから、リフトが建っている。


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園内、遊歩道を歩いて行くこともできるけれど
追加料金はかかるがバスに乗ったほうが
より楽しめる。



赤いバスコースのほうが、
圧倒的に広い範囲を移動し見ることができるから。


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バスはどうやって園内に入るかって?


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こういうゲートを通っていく。

離れた場所から見ると、
こういうふうになっていて。


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手前のゲートを開き、バスが入って
手前のゲートを閉じる。

熊が入っていないことを確認してから、
奥のゲートが開いて、バスが出る。


もしも熊が一緒に入ってきたら……?

そういう事に対処できる
レンジャー要員が居るらしい。



バスで巡ると、
ところどころでクマたちに遭遇する。


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あっちも慣れたもので、
バスが傍らを通っても動じない。

気にもかけない。



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園内の池に撒かれた餌を
夢中になって食べている。


クマの餌は、
カラスも狙っている。


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更に、バスを降りてクマを間近に見られる。


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ガラス張りの観察施設『ベアポイント』である。


ガラスの内側が、人間。

外側が、クマ。

フツーの動物園とは、逆。



中に入ると、
こういう感じでヤツらがやってくる。


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っていうか、やってくるように
人間が来るのを見計らって、
スタッフが屋上から餌を撒いてくれるのだけれど。



このガラス、大丈夫、だよね?


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まあ、事故の報道は聞いたことがないからね。



ベアポイント内には、いろいろな展示もあって
なかなか興味深い。



『クマ用ペレット』


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そんなものを作っているところがあって、
そんなモノの需要があるんだっていうことも
説明を見るまで知らなかった。

世の中、知らんことが多いものだ。



冬の間の、
飼育係の大切な仕事なんだそうだ。


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寒そう……。



クマが敷地外に出ないように、
また、野生のクマが敷地内に入ってこないように、
周囲には電気柵が巡らされている。


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この施設にいるクマは、
オスだけ。



メスが居ると、
野生のクマたちが寄ってくるから
マズいんだって。



全周バスで回ってもいいけれど、
ベアポイント以降は遊歩道で歩いて帰ると
全景がわかって良い。


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バスは、緑太線の道を反時計回りで動く。

ベアポイント(観察施設)で降車して、
茶色の遊歩道を通って帰る。



遊歩道は高い位置にあるから
クマに襲われる心配は無い。


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車椅子での移動も大丈夫だ。



次のバスの動きに合わせて餌を撒いたり、
園内のクマたちの位置関係を把握して
適切に導くためのレンジャー隊が
車で移動しているのが見えた。


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遊歩道出入り口は
スロープになっている。


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車椅子対応なんだけれど、
距離(と落差)は結構あるから
登りは電動でないとなかなか大変かもしれない。


スロープは結構長いので、
飽きさせないように壁面にいろいろ描いてある。


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こんなんに襲われたら、
そりゃ怖いって。

勝てないって。



人間とクマとの遭遇による痛ましい事故が
時々報道される。

こうやって安全な施設で見ていると、
ただのかわいい生物に見えてくるけれど、
彼らは猛獣であって、人類とは相容れない部分も多い。


共存のためには、
いろいろな配慮・方策・知恵が必要なのである。



住宅街に出没したクマを撃ち殺した(駆除した)報道が出ると

「かわいそうに」

「麻酔銃で眠らせて森に返してあげればいいのに」

「なんて残酷なことをするんだ」

いろんな批判の電話が関係各所に殺到するらしい。


知識が無いのだから仕方がない面もあるけれど、
自分の感覚・感情だけで条件反射的に他人を批判するのも
どうかと思う。



いわゆるクマ行政のスペシャリストにも
お話を聞いたことがあるけれど、
物事そんなに単純じゃないのだ。

「さんすう」のように
明快な「こたえ」が無い課題は多いのだ。



麻酔銃に関しては、
ねんまつたろうさんの説明 が
すんごくわかりやすい。



まあ、そんなこともあるけれど、
とにかくクマに興味関心が有る方も無い方も、
一度行ってみてはどうだろうか。


きっと、新しい知見も得られるだろう。



ただし、2020年の営業は、
もう終了している。

冬期間、彼らは冬眠してしまうから。


それに、写真には写っていなけれど、
バスの走路ってすごく狭くて起伏に富んでいて
運転技術も称賛ものなのだ。

雪なんぞ被ったら、
たちまち立ち往生してしまうはず。



新型コロナが今後どうなるかわからないけれど
通常であれば、 5月始めからの営業 になる。


Webチケットや、パックのチケットだと
かなりお得になるので、
よく調べておくとよい。

特に、バス付き入場券がオススメだ!
(「ベアマウンテンは熊サファリ」おわり)
posted by けろ at 10:00| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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