透明感があって、
意匠的にはかなり好まれているんじゃないかと、
そんな気がする。
街中のビルで採用されているものも多いんじゃなかろうか。
「せつび」的には、冷暖房負荷が大きくなるし、
特に日射負荷は絶大になるし、
あんまり嬉しいモノではないんだけれど。
「今のガラスは遮熱性能が高く、Low-Eガラスなんかを使えば
すんごく省エネだ!」
そういう説明もあるのだけれど、
確かに従来のガラスに比べて格段に性能は向上しているのだけれど
それでも熱貫流率は昔むかしの外壁ほどの数値でしかない。
今ドキの外壁に比べれば、やっぱりガラス面は
熱的には「ザル」である、と、ワタクシは主張したい。
「見た目の美しさ」を求めるあまり、
鉛や水銀の化合物を化粧品として
健康・命を損ねてしまった古代の人々……に擬えるのは
さすがに言い過ぎかな。
いずれにしても、
建物は様々な要素を組み合わせて出来上がるもので、
その用途、立地、セールスポイントなどによって
その重点とするところが異なるのはある意味当然ではある。
だから、熱性能よりも意匠的要素に重点を置くことがあっても
それはそれで可であろうと思う。
そういうコトだと、理解した上で、という前提付きで。
熱性能的にあまり素晴らしくは無いことを承知した上での
選択であって欲しいものだ。
いや、そうあるべきだ。
と、設備に関わる人間としては、思うのである。
当然ながら、立場が異なれば、
その意見や重要視するところが異なるのは致し方ない。
さて、前置きが長くなってしまったのだが。
ガラス面は、光を反射するという要素もある。
もしそれを意図してやるならば、
周囲の景色を「借りる」ことだって可能だ。
『借景』と捉えることも
できるんじゃないかな。
実際、建築物の写真などで
ガラス面の「借景」を美しく捉えたものも
多い気がする。
借り方にも、いろいろやり方があって
全面でそのまま借りることもできようし、
角度を替えてやれば、
「特殊効果」も望める。
意図してやったか、
たまたまそうなったか、
それはわからないけれども
これはとても面白い効果だと思ったので、一枚。
造園だけじゃなくって、
建築の外装でも『借景』ができるのである。
(「借景外装、かな。」おわり)