『大手一の門』
というものがある。
門の上の部分が、見学できるようになっていた。
若干の展示品とともに、
内部の構造がよく見える。
提灯の紋は、京極氏のもの。
鯱瓦。
雌雄2体セットだったものの雌が失われていて、
1985年に35年ぶりにそれが見つかった、という記事が
掲示されていた。
製材していない木材を巧みに組み合わせた構造が
よく見える。
現代のように構造力学などが構築されていなかった時代に
数多のトライ&エラー、諸災害を経て編み出された
そんな構法なのであろう。
当然のことながら、
ダメだったものは現存しておらず、
今に至るまで残っている『スゴい』ものだけが伝えられているはずだ。
「昔の人は、凄い!」
それはある意味正解で、
ある意味不正確である。
スゴかった人もいたし、
凄くなかった人も居た。
たぶん、現在でも同様である。
時間が、歴史が、その価値を審査するのであろう。
価値あれど不幸にしてアクシデントに遭遇して残らなかったものもあるし、
たまに全然凄くないけれど運良く残っているものもあるんだろう。
そんな注釈にも少〜し気に留めつつ、
先人の偉業を愛でる、楽しむ、驚嘆する、
たまに突っ込む、
歴史に詳しければ詳しいなりに、
詳しくないならばそれなりに、
楽しみようはあるというものだ。
(「丸亀城大手一の門」おわり)