「点検口」を名乗っているのであるから、
「点検」するためのものである筈なのである。
じゃあ、何を?
どうなってるか見たいから、とにかくあれば良いのさ。
そういうことだって、あるんだけれど、
そもそも天井点検口というものは
何かしらの目的があって設けられているもののハズだ。
でもそれが何だか、わからん。
そうなりがちだったりするのである。
設計した人、施工した人は
わかっているはず。
なのに、他の人々には
特に、建物完成後に、施設を管理していく人たちには
なかなかわかりにくいものなのである。
でもたまに、可視化されていることもある。
おお!
こうやって書いてあったら、
どの方向に、点検すべき何があるのか、
誰が見たってわかり易いではないか!
これは、いいよね!
ただし、だ。
完成図や取扱説明書とおんなじで、
これが必ずしも正確とは限らない、ってところが
なかなか難しいところ。
貼り付ける向きに応じて方向が書いてあればよいのだけれど
書く人が90度間違えてしまったとか
いくつか点検口が並んでいる場所で
貼る紙を間違えてしまったとか
天井仕上げを張ったあとで、急遽バルブを追加したんだけれど
それが反映されていないとか、
「完璧な情報」が反映されているとは言えないようなのだ。
情報が無くても良いのか、
少々不正確であってもある程度あったら良いのか、
不正確であるくらいなら無いほうが良いものか。
悩ましくもあるけれど、
どうでしょう?
ワタクシとしては、
もちろん正確に越したことはないけれど
全く情報が無いよりは遥かに良いんじゃないかと思うんだけれど。
ただし。
こういう「形」だけ作ろうと思って、
竣功間際の忙しい中、突貫作業で紙を貼りまくって、
結果間違いだらけ……ということは
避けてほしいものだ。
そういうやつなら、要らない。
全部の紙を貼りつけたあとで、
面倒くさいとは思うけれど、
完成図を参照しながら全部の点検口について
再確認してみてほしいんだな。
面倒くさいとは思うけれど。
とっても、面倒だとは思うけれど……。
こういう事を考えるにつけ、
建築物のBIMを運用段階でも適切に利用して……というのが
技術的にではなくて、マンパワー的に、
なかなかハードルが高いんじゃないかと思ってしまうのである。
あらゆる情報を三次元データとして一元管理できるのは
ものすごく素晴らしいことなのだけれど、
それらの情報の正確さを、誰が担保するか、ということなのだ。
すんごく、キツいことなんじゃないかと。
(「天井点検口の内側に」おわり)