2020年09月15日

下水道がやられた時のために

地震災害などで、
公共下水道網が寸断されてしまい
建物の排水を流すことが出来なくなることがある。



水道管網が生きていたとしても
排水が流せない、というのは非常に困る。



災害対策本部が置かれる役場庁舎とか
生命の危機が生じる病院とか
なんとかして機能を維持しなければならない建物も
少なからずあるのだ。



そういう建物では、
公共下水道が復旧するまでの間、
建物のピット内に汚水を一時的に貯留しておけるように
対策をしているところもある。



具体的には、建物各所から出てきた排水を、
公共下水道に流すのではなくて
流路を切り替えて建物ピット内に戻すための
切替桝」 のようなものを設置する。



20091501.JPG



普段は、普通に下水に流すだけのインバート桝である。


20091502.JPG


左から右へ、ただ排水が流れるだけなのだ。



けれどもイザ事が起こった場合、
中の部分(インバートプラグ)を持ち上げて、90°回転させて置く。



こんな深い場所には手が届かないから、
穴に引っ掛けて引っ張り出せるような
フックのついた棒を用意しておくわけであるが。



こうなる。


20091503.JPG



左から来た排水は、右に行かずに下に落ちる。


下部に配管をつないでおいて、
緊急時排水槽まで配管しておけば
イザという時に役立つのである。



飽くまで、緊急時用。

だから、全然使用されないのが望ましい。



けれども、緊急時に使用できない状態になっていたら意味がないから、
たまに操作試験を(訓練を兼ねて)したら良いのだろう。

関東大震災の教訓を元に9月1日に催される、
あるいは東日本大震災を契機に9月11日に開催される、
避難訓練などの際に。



その際には、排水が流れない状態で行うのが望ましいけれど。



役場庁舎とか、大規模病院などで
この排水桝を探してみてはどうだろうか。

あんまり見かけないけれど、
見つけられたらラッキー、ってことで。
(「下水道がやられた時のために」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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