錆び錆び、なのである。
だけれどもやっぱり、侘び寂びにも通じる所がある。
そう感じる、ピット内。
ここに据えられて幾星霜。
誰にも感謝されることもなく、
誰にも見られることすらなく、
見られたとしても、多少錆びてきたとしても、
全く見向きもされず、
ただじっと、ひたすら配管を支え続けてきた
チャンネル架台。
年々進行していく錆びに蝕まれながらも
自らは何らの抵抗の手段もなく、
ただただ、酸化圧力に晒され続け、現在の姿となっている。
「醜態」と言う勿れ。
確かに、見目麗しくなど、ない。
いやむしろ、確かに醜さを纏い、常に身近に置きたくはない様相ではある。
けれどもそれこそが、存在してきた証。
じっと耐えてきた年月。
使命を全うしてきた証左なのである。
なんて。
まあこのくらいになってたら、
錆落としをして塗り直すくらいのことは
してあげてもいいんじゃないかな。
いくら古い施設だからって、
ほったらかしってのも、イカンのじゃないかい?
え? カネがかかるって?
まあ、プロに頼んだらそうだよね。
施設管理の任にある人が、
DIY感覚で取り組んでみていただけると
いいんだけれどね。
(「サビサビの配管架台」おわり)