「なんか四角い枠があって、邪魔だなぁ」
そう言うなかれ。
だって、無駄に付いているわけじゃないんだから。
天井の中には、いろんなものが隠されていて、
それを見るため、点検するため、メンテナンスのために
都度天井仕上げを壊すのはあまりにも無駄だから
開けやすくしてあるのだから。
建築工事のシャッターボックスや、
天井内区画壁の確認のためであったりもするけれど
大部分は設備機器、配管類、貫通処理、断熱などの確認のため
ダンパー操作、バルブ操作、プルボックス点検のため、など
「せつび」のために必要なものが圧倒的に多い。
確かに、天井面につく照明器具や制気口や機器類、
天井仕上材などとのバランス上、
点検口の存在が邪魔に思えてくるのかもしれない。
でもやっぱり、必要性があるから、取り付けているのであるからして
あんまり邪険に扱わないで欲しいのだ。
まして目の敵にしたりしないで欲しいのだ。
そもそも、だ。
天井点検口なんて、存在にさえ気づかないのが普通じゃないだろうか。
たまたま「ギョーカイ」にいるもんだから、
天井仕上ボードの目地とか、
スプリンクラーヘッドやスピーカーの配置の美しさとか
そんな「些細なこと」が気になっちゃうだけなんだ。
そんなものは、一般の人々にとって
必要な機能さえ果たしていればそれで良いもの
だったりするんだ。
もしも存在が気になるのであれば、
あんまりにも邪魔に感じてしまうのであれば、
「そこに天井点検口をつけちゃダメだ」
ってただ主張するだけじゃなくて
そこに天井点検口をつける必要性が無いような
設備システムを採用するとか
別に機械室やPS的なスペースを設けるとか
それなりの根拠ある対策をひねり出すべきなのである。
デザインに優れた建築物を創造したいのであれば
そういう知識があると、実現しやすくなるはずだ。
「せつび」は、建築とは無関係ではない。
建築を構成する要素の一つなのである。
だからして、
「設備、よくわからん」
で済ませないで、ある程度は関わりを持つようにすれば
意匠屋さんであっても、構造屋さんであっても、
きっと役立つはずなんだ。
もちろん、逆も言えるのであって、
設備屋さん、電気屋さんが
意匠、構造、建築法規などの知識を持つことは
やはり役立つはずなのだ。
そういうわけだから、
「天井点検口は必要性があるから設けてある」のである。
でもたまに、設備から天井点検口を要求したけれども
やっぱり必要なかった(テヘッ)ってことも
無いわけではない。
要求したんだけれど、設け忘れられてしまった、というのと
どちらが多いんだろう?
現場(担当者)によりけり、なのだろう。
(「天井点検口は必要性があるから設けてある」おわり)