では今なら何を使うのか、ということであるが。
公共工事であれば、排水用塩ビライニング鋼管 なんかを使ったりする。
見るからに、鋳鉄管よりは軽い感じがしないだろうか?
「DVLP」と表示したりする。
直管を、継手を介してつないでいく。
スラブ貫通部分の白っぽい管は
耐火二層管である。
鋼管の内側に、塩ビの「ライニング」が施してある。
断面は、こんな感じ。
排水が直接鉄の管に触れないから、
錆びないというわけだ。
言わば、「見た目は鋼管、中身は塩ビ管」
コナンみたいなもの(?)だ。
上の画像では、スラブ貫通部に
「排水用ノンタールエポキシ塗装鋼管」を使っている。
床排水目皿とか、鋼管の「ねじ接合」でつなぐ金物類の場合
DVLPでは直接ねじ込めないので、
こうやって異種配管を部分的に使用したりする。
衛生器具とかであれば、塩ビ管で接続できる。
防火区画である床スラブを貫通する部分には、
塩ビ管の外側を耐火材で被覆した「耐火二層管」を使ったりする。
排水用塩ビライニング鋼管ではなくて
すべて耐火二層管で、
防火耐火の必要性がないピット内であればすべて塩ビ管で
排水管を施工することもある。
また別の、優れた性能とコスパを持つ配管材料が開発されれば、
それに置き換わっていくことだろう。
そうすると、この排水用塩ビライニング鋼管もやがて
「古い記憶」となっていくのである。
月日は百代の過客にして、
行きかふ年もまた旅人なり。
(芭蕉)
管材もまた、然り。
(「排水用塩ビライニング鋼管」)
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