屋外にある「せつび」を眺めると
いつもと違った顔が見られるはずだ。
普段は、ペロッと外壁から生えている換気フードが
白い帽子を被っているのが見られるようになる。
何日かすると、これらは滑り落ちてしまうのだけれど。
夏も冬もはたらくエアコンの室外機にも
しっかりと雪が乗っかるのだ。
エアコン室外機用の「防雪フード」が威力を発揮しているのがわかるし、
架台に乗っけて地盤面より少し浮かして置かなければならない理由も
見えてこようというものだ。
意匠屋さんの目で見たら、
雪が積もった際にどのように見えるか、
どの部分から落雪して被害が生じる恐れがあるのか
そういう面が気になるのかもしれない。
雪国に行ったら、
「積もる雪」という視点でも
建物を見てみたい。
それでわかることも、たくさんあるはずだ。
雨の激しい地域
風の強い地域
雷の多い地域
酷暑の地
極寒の地
多湿の地
……それぞれに、それぞれの必要性があって
建物の造作があって、設備がある。
グローバルの時代にあっても、
やっぱり建物はその地に固有なものであり、
独特な事情を抱えているものなのである。
(「せつびに積もる雪を眺めて」おわり)