2020年01月22日

エレベーターの停止階が限られていると

たぶん、20年以上前の建物であろう。



集合住宅にエレベーターがついているのは当たり前で、
現代では各階に停まるのは当然のことなのであるが。


かつては、そうではなかったようだ。


20012201.JPG


たまに、こんな建物を見ることはないだろうか?

6階と10階だけ、壁面が出っ張っている。



共用廊下が、この2フロアにしかないのだ。
エレベーターの停止階が、1、6、10階の3フロアだけなのだ。

他の階は、階段室を通じて上り下りする。



エレベーターの乗降口を作るコストと、
共用廊下分の床面積とを削減するための措置なんだろう。



おそらく停止階の室は、他の階よりも高く売れたであろう。



エレベーターシャフト頂部に設けるエレベーター機械室と、
更にその上に設ける高架水槽室も
現代では設けられないモノである。



米とか牛乳とか根菜類とか、
重たい荷物を運ぶのに、
階段しか使えないのはキビシイ。

そういう人は、少々高額になっても停止階の室を買う。



健脚に自身のある人であれば、
階段利用になるけれども割安な階の室を買う。



そんなふうに選択していたのだろう。



ただ、35年ローンなどを組んで購入して
やがて人間は齢をとっていく。

そのときに果たしてどうなるのか
なかなか思いが及ばないものであろう。


ある程度の値段で売ることができれば
住み替えもできるのだろうけれど。



現在当たり前に売られている集合住宅も、
時代が進むと「あり得ない」と思われてしまうような
仕様であることもあろう。



先のことは、なかなかわからないものだ。
(「エレベーターの停止階が限られていると」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 昇降機設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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