いろんな「撤去ガラ」が生じる。
ただ「ガラ」とか「ゴミ」と呼ばれたり、
「廃棄物」と名付けられたり、
公共工事なんかだと「建設副産物」なんて命名されたりしている。
「ゴミ」じゃないんだ、
「資源」なんだ。
まあ、そういう意識付けの意味もあるんだろう。
解体したあと、
床に集積されている様は、やっぱり「ゴミ」である。
昔だったら、これらはすべてまとめて埋め立て処分か何か
していたのかもしれないけれど、
現代はちゃんとリサイクルすべく「分別」する。
撤去材を入れるカゴを見ると、
少しわかるかも。
金属類が入ったカゴ。
配管に被せられていた保温材は
ちゃんと取り外されている。
ライニングのある管と無い管とを分けたりするかどうか
その地域の廃棄物処理の方法次第である。
配管の類は、すべての部分が一様に劣化するわけじゃないから
痛み具合、錆び具合は場所によって結構違ったりする。
撤去してみて、「あれ、ほとんど新品同様だ!」なんていう場合も
無いわけじゃない。
それでも、配管は全部繋がってナンボだから
ある程度の部分で著しく劣化していたのであれば
全面更新しておくほうが良かろう。
原因が特定できていて、ほんとうに局所的な劣化なのであれば
そこだけの改修でも構わないけれど。
このカゴには、いろんな配管が入っていた。
継手が青いやつは、塩ビライニング鋼管。たぶん、給水管。
ただの鉄パイプ(配管用炭素鋼鋼管)もあるし、
緑色のやつは外面被覆鋼管だろう。
鋳鉄管っぽいのも写っているかな。
こっちは、プラスチック系。
ねずみ色のが、塩ビ管。
袋に入った白いやつは、保温材。
発泡スチロールだ。
おなじ保温材でも
材質の違うやつは分ける。
グラスウール保温材。
表面にアルミがついているけれど。
撤去材(建設副産物)は
こんな感じで材質別に分別して
リサイクルするもの、
焼却するもの、
溶解処理するもの、
埋め立てするものなどなど
各地の処理場または処分場に運ばれる。
公共工事であれば、
それぞれの場所までの運搬費も
ちゃんと計上されている。
そして、法に基づいてしかるべき措置がとられていることを
確認される。
だって、勝手にどこかに不法投棄されていたら
まずいからさ。
民間の建物も、
壊す時には「ぐちゃぐちゃ」って全部一遍にやるんじゃなくって、
屋根瓦を剥がして、
ガラスを取り外して
アルミサッシを剥がし取って、
内外装を少しずつ剥がして……と
結構丁寧に解体されているのがわかるだろうか。
昔の映画やドラマなんかだと
バックホウでバリバリ、バリバリと無茶苦茶に壊したり
鉄球をぶつけて派手に解体したりする様子が
映っていたりする。
現代日本では、そうはいかないのである。
建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律
(通称「建設リサイクル法」)
っていう法律に基づいて
きちっと処理する必要があるのだから。
ぐちゃぐちゃに解体して後から分別するのは却って大変だから、
ちょっとずつ資材別に取り外していくことになったのだ。
(「撤去ガラも分別される」おわり)