2019年10月14日

昔の建物には高架水槽室があった

最近の集合住宅は、
上部がすっきりしている。


昔は、そうではなかった。

建物本体の上に、
エレベーター機械室と
高架水槽室とが乗っかっていたのだ。

(高置水槽、と記したりもする)



こんなふうに。



19101401.JPG



本体の上、塔屋1階部分が、エレベーター機械室だ。


更に上、塔屋2階部分が、高架水槽室だ。



上のは寒冷地の写真だから、水槽は躯体の中に納められているけれど
凍結の恐れが無い地域であれば、水槽は露出で乗っかっている。



集合住宅の規模にもよるけれど
エレベーター機械室よりも、
高架水槽のほうが床面積を必要とするから
塔屋2階部分のほうが広くなっているのがわかるだろうか。



もちろん、今の建物でも
高架水槽を絶対に置かない、というわけではない。
でも、かな〜り、少なくなっているはずだ。

今どき、高架水槽を置くメリットがあまり無いから。



整備された公共上水道網、
性能の良い加圧給水ポンプの登場、
直結増圧給水方式の開発と採用可能地域の拡大、
高層部における重量物を避けることによる耐震安全性への配慮、

などなど、制度的・技術的・社会的環境も整ってきている。



築何年って書いていなくても
建物の形状である程度の年代がわかろうというものだ。



エレベーターをマシンレスタイプに更新して
高架水槽方式から直結増圧給水方式に改修して、
という改修が行われている建物は
結構多いのではないだろうか。



それでも、あの塔屋部分の躯体を切り取ってしまった例は
ワタクシは見たことがない。
(「昔の建物には高架水槽室があった」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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