『はまなすの丘公園』
すすきの穂の合間に、
赤白の灯台が建っている。
時節柄、ラガーマンのように、見えなくもない。
灯台、と言いつつ
周囲は陸地である。
石狩川が日本海(石狩湾)に注ぐ河口近くであり、
明治25年(1892年)に開設されてから100年以上経つ間に
砂嘴(さし)がどんどん発達してしまったから、
ということのようだ。
なるほど。
もっとも Wiki によると、
木造で開設された後、明治41年(1908年)に鉄造に建て替えられ
平成11年(1999年)に14m移設された、ということだから
当初の位置はもっと陸側になってしまっているというわけである。
灯台百年を記念した碑が、建っていた。
河口まで、ここから 1km半くらい砂嘴を歩いていく。
家族連れで散歩するには良さそうだ(まあ、気候によるだろう)。
『はまなすの丘公園』 を名乗るだけあって、
はまなすが群生している。
もう花の時期ではなくて、
実(ローズヒップ)が大量になっていた。
河口付近。
対岸に見える煙突は、
石狩市のごみ処理施設のようだ。
雨が降った後だったせいか、
川の水は茶色く、
海の水は青く、
また波高であったこともあって
なかなかカオスな水面であった。
石狩川は、流域面積が利根川に次ぐ全国2位、
長さは信濃川、利根川に次ぐ全国3位だということだ。
北海道中央部の大雪山系に源を発し、
広い北海道をゆったりと流れ下る川である。
今は穀倉地帯となった空知地方は、
かつては湿地帯であったという。
明治期より河川改修を行い、
地下水位を下げて農作に適した土地を作り出し
灌漑水路を縦横無尽に設けて、現在があるという。
取り残された、多くの三日月湖が付随している。
こういう大きな景色の中に身を置くと
「せつび」の細かさが際立つ。
大きな大地に比べてしまうと「矮小」、だけれども
それを「繊細」と言い換えて捉えたいものだ。
(「石狩市はまなすの丘公園」おわり)