地震動によって破断してしまうことを避けるために
「可とう伸縮継手」を使うこともある。
たとえば、こんなふうにつながる。
ある程度の伸びや縮みに追従するため
配管がガチッと固められた状態よりも耐えるのだ。
メーカーが、 許容変位量 を規定している。
この カタログ の右下のような設置方法で
建物と地盤との間を貫通する配管の
変異吸収を行おうというものだ。
ただね、決して 安くはない。
塩ビ管をそのまんま伸ばすのとくらべると
べらぼうに高い、と言えるかもしれない。
災害時の安全性・機能維持性を考慮して費用をかけるか、
(それも、決して絶対大丈夫ということにはならない)
初期費用を抑えることを優先し、少し目を瞑るのか。
構造にしても意匠にしても設備にしても、
必ずついて回る課題なのである。
「設計者」の立場としては、
多少余計に費用がかかったとしても
より安全なものを設計・提供したいものではあるが
自分でカネを出すわけじゃないから
お施主様の懐事情に頓着ない、というわけにもいかない。
限られた条件下で、
最善を尽くそうと努める。
一応、そういう心掛けをもっていたいものである。
理想論、かも知れんけど。
(「地震で揺れても排水管がちぎれないために」おわり)
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