「五味温泉」がある。
含二酸化炭素ーナトリウム・マグネシウム・カルシウム・炭酸水素塩泉なのだという。
森林と人が輝く
町のWEBページに、そう謳っているだけあって
木材がふんだんに使用されている感じである。
平成5年度総合型林業構造改善事業による「休養施設」なのだそうだ。
傘立ても、木工品。
入り口脇には、
木彫りのフクロウ。
エントランスホールの吹き抜け壁面には
木製のレリーフ。
昼間の風景。
反対の面にも。
これは、夜のようだ。
玄関裏手にまわると、
いろんな「せつび」が見えてくる。
何が見えるだろうか?
軒天についている、
換気口とおぼしきモノは、
あまり見かけない形をしている。
壁面には、FF暖房機の給排気トップが見える。
でも実は、この建物は
木質バイオマスを燃料とした
チップボイラーによって暖房されている。
駐車スペース脇に、
こんなシャッターが目立つ。
平成16年度 環境省 二酸化炭素排出抑制対策事業
とある。
180kW の木質バイオマスボイラーによって
暖房、給湯、温泉加温をおこなっている。
元々油焚きのボイラーが2基あったのだが
そのうちの1基を木質ボイラーに替えて
地元の木材チップを有効に活用するとともに
化石燃料の使用を削減し、油を購入するよりも安価に
運用できているのだという。
以降、次々にバイオマスボイラーやペレットボイラーを導入し
公共施設の熱供給の68%を再生エネルギーに転換しているというのだ。
油代と比較して浮いた1,900万円の半額を基金として積み立て、
将来の機器更新に備えている。
残りの半額は、子育て支援事業の財源としている。
上のシャッターの中は、
チップ貯蔵庫なのだそうだ。
脇にまわると、
鋼製のドアが見える。
この中が、ボイラー室らしい。
下川町では、町有林で木材を生産し、
それをチップ化し、燃料として使用している。
チップ化の材料用に、近隣の事業(道路とか)で生じる
伐採木材も受け入れている。
建設事業により生じた産業廃棄物が、
燃料として利用されることになる。
町有林は、4,600ha以上ある。
毎年50haを伐採し、その分植林し、
60年間育てるのに十分な面積だ。
平成10年に「下川産業クラスター研究会」を始めて以降、
いろいろな取り組みを地道に続けてきて、こんにちがあるという。
まだまだ、下川町の挑戦は続く。
機会があれば、どんなものか観に行ってはいかがであろうか?
(「五味温泉の熱源は木質バイオマスである」おわり)