2019年07月29日

ルーフドレン配管は見せても良いかどうか

日本には、雨が降る。

だから、建物には降ってきた雨が当たる。

そしてそれは、円滑に排出されなければならない。
そうでない場合「雨漏り」になってしまうのだから。


傾斜をつけた屋根であれば
軒先で雨樋で受けて、
排出するようなことになる。



陸屋根の場合には、
雨水金物(ルーフドレン金物)により集水して
配管を通じて排水していくことになる。



さてここに、集合住宅がある。



19072901.JPG



エントランスの上に、赤楕円で囲った部分に
バルコニー系統とおぼしき、雨水管が見える。



露出の鋼管に保温材を巻いて
更に金属ラッキングをしてある状態である。



さてこれは、元々このように意図されたものであったかどうか。



施工が結構進んでしまった後に、
持って行き場がなくって、仕方なくこのようになったのか。



じつは、いろんな集合住宅を見渡すと
結構こんな配管が見られるのだ。



そうか。

みんな、ルーフドレン配管を見せたいのだな。



そうさ。

雨漏りを防いでくれる、
重要な配管なんだから
目立ってナンボでしょ?



んなわけ、あるかっ!



こんなの、
最初から隠蔽にしようと企図していれば
費用的にもそんなにかからないし
如何ようにもできるものだ。



意匠設計者が全然気づいていなくって、
設備設計者はそもそも気にしていなくって、
現場である程度施工が進んでから

「これ、どうしよう?」

「ええ? 今さら、後から取って付けたように囲うのは変だし」

「だいいち、その分のコスト、誰が払ってくれるんだ?」

「でも庇の上だし、そんなに目立たないよ」

「そう、だね」

「そういうことに、しておこうよ」

まあ、そんな会話が有ったのか無かったのか。



意図された露出であれば、
それはそれで構わないのだ。

やむを得ない露出であれば、
まあ、何らかの原因があるのだ。

そういうのを、1つ1つ潰していって
最終的にそれなりの仕上げになるようにすればよいのだが
いかんせん、設計工期や設計費、
施工工期や建設予算、
いろんなものがカツカツで、
そこまで入念に検討する人的資産も時間的余裕も無いんだ。

ま、そんなところなんだろう。

ある意味「やむを得ない」現象なのかもしれない。



ま、最終的には、プロジェクトマネージャーの力量ってことに
なるんだろう。



でもさ。



全国で何百と建てているデベさんだったら
そのくらいのノウハウの伝承って、有って然るべきじゃね?



云々、云々。



何の関係もない、
ただの通りすがりの通行人の立場だったら
何だって好き勝手に言えるんだ。

無責任だからね。

で、無責任ゆえに、
結構キツいことを言っちゃう。



よくある話だ。



だからって、
電凸しちゃったり
抗議メールを殺到させたりすることは
ないんじゃないかと思うぞ!



ともかくも、
ワタクシは、ルーフドレン配管、
見せてあっても気にはならない。


だって、せつび屋だもの (みつを?)
(「ルーフドレン配管は見せても良いかどうか」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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