「日本館」と「地球館」からなるのであるが
そのうちの「日本館」の建物は
昭和6年に建てられた、
国指定の重要文化財である。
建物自体が、先人の技術を伝える展示物でもあるのだ。
正面側。
元々の入り口は、ここだったのだろう。
当時は当たり前の、階段からのアプローチなのであるが
現代においてはバリアーでしかない。
よって、今はスロープを下って、地階から入る。
向こうに見える冷却塔フードは、
隣接して立っている国立西洋美術館のものだ。
地階入り口の側方では
クジラが反り返っている。
裏手に回ると、こんな感じだ。
なお、ここは入館後でないと見られない。
屋上に増築した部分があるようだ。
鉄骨階段も、おそらく後付ではないだろうか。
サッシも、当然入替えられているだろう。
緑青鮮やかな(という言い方は、普通しないかも)
雨樋が印象的である。
現代の利用に耐えるべく、
随所に手を入れた跡が見られる。
監視カメラで、チェックされているなぁ。
当然これらも、これにつながるケーブル類も
後付である。
中庭は、結構新しそうだ。
こういう趣が好きなんだ。
エレベーターが、随所に設けられている。
左側は、国立西洋美術館の建屋である。
(ル・コルビュジエじゃないほう。増築部分であるが)
内部は、看板にあった「ネオ・ルネサンス調」というものなのだろう。
中央吹き抜け部のドームが
いかにも。
随所にあるステンドグラスも、よく映える。
現代の建築基準法、消防法に準拠すべく
さまざまな付加がなされている。が、
うまいこと溶け込ませているようにも思われる。
創建当時には無かった「せつび」が
たくさん追加されている。
階段部分。
あえて古い感じを残しているかのようだ。
床タイルは、こんな感じ。
側階段。
もちろん、メイン動線にはエレベーターが後付けされている。
と、要所要所に耐震補強が施されているのに気づく。
目立たないように付加されていて
気にして探さないと気づかないかもしれない。
「科学博物館」だから、基本的に理科系の文物が多いのであるが
考古学や人類学などの人文科学系のものも
「科学」とからめて展示・解説されている。
建物を見るだけでも、入館料の価値があるように思うのだが
いやはや、中身たるや面白くて楽しくて興味深くって。
もう何度も行っているのだが、決して飽きることがない。
こうやって記事を書いていたら、
また行きたくなる。
そんな所だ。
(「国立科学博物館日本館の建物」おわり)