あの色合いが良い。
花の紫と、茎葉の緑色の組み合わせが
絶妙なのだ。
あの香りが良い。
キツくなく、上品で、爽やかだ。
ポプリにもできる。
桜よりは長く楽しめるが
満開の美はそう続かないというのも
季節感を醸し出していて、良い。
幌見峠に、ラベンダー園がある。
民間の園であるが、
徐々に拡張されているようだ。
入り口のゲートには
「この付近に土地を持っている方、
ぜひお譲り下さい」という看板が
建てられていた。
まだまだ、拡げようとしているのだろう。
いくつかの品種があるようで、
エリアごとに形状が異なっている。
開花時期も少しずつ違うようで、
満開のエリア、まだまだのエリア、
いろいろである。
香りを楽しもうと、顔を近づけると
何やら音がするのだ。
羽音、なんだが。
ここまで近寄ると、
夥しい数の蜂たちが
一心不乱に蜜を集めているのがわかる。
そして、かなり大きな羽音の集合体が
耳を襲う。
ミツバチやら、クマバチやら、マルハナバチやら。
外来種のセイヨウマルハナバチもいる。
こちらから危害を加えない限り
襲ってくることはないから平気で近づけるが
この羽音にはかなり圧倒される。
そんなに標高の高くない峠ではあるが
それでも札幌市の中心部を望み見ることができる。
いろいろなお国言葉の日本人もいるし、
アジア系を中心に、外国からの人たちも多い。
駐車場スペースには、
レンタカーだらけだ。
背景が青空でないと
イマイチ映えない。
結構な斜面の部分もあるので
足腰が弱いと少々キツいかもしれない。
北海道旅行で富良野のラベンダーを見に行きたいけど
時間と費用が足りなくって………という向きには
札幌市中央区のこの場所はお手頃ではなかろうか。
時期さえ合えば、出張とか学会とかのついでに
ひょいと行くことができる場所だから。
(「幌見峠のラベンダー園」おわり)