ライニングを作って
水回りを設置するのだ。
下地を組んだ段階で
設備の配管を進めていく。
ライニング部分には、
給水管と、給湯管。
混合水栓がつくようだ。
接続されるのは、
向かって右が、給水。
左が、給湯である。
新しい壁面に設けるコンセント用に
ボックスと、それらをつなぐ電線管が取り付けられている。
このあと、ボードを貼ってしまうと
もう全然わからなくなる。
左側にある合板は
衛生器具を取り付けるための下地材である。
石こうボードじゃ、
器具をしっかり留め付けることができないから。
このへんは、
建築屋さんにお願いしておかなくちゃならない。
躯体やら、下地材やらに
いろんな「メモ」が書いてあったりする。
それに合わせて、配管を伸ばしていく。
その後、保温材を巻いていく。
ライニング下地の軽量鉄骨に孔を開けていくので
それなりの調整が必要だ。
まあそれでも
昔のように、ブロックを積んで作ったライニングよりは
よほど施工し易いんじゃないかな。
せっかくブロックを積んだあとで、
配管を通す部分を片っ端から削ってしまう作業が
なかなか大変そうだったから。
設備工事って、
建物ができあがってしまうと
ほとんど見えなくなってしまう。
衛生器具とか水栓とか、
実際に人間と対峙する部分だけは見えるけれど
そこに至るルートは、ほとんど隠蔽されてしまう。
だけれでも、
そういう「つながり」があって、
はじめて機能するのが「せつび」なのである。
ただ単体をポンと置いて済むモノは「家電」だ。
「設備」には「つながり」が不可欠なのだ。
もっとも、建売住宅やマンションなどのチラシに
「設備」と書いてあるのは
「つながり」を一切感じさせない単品に関する記述だったり
するんだけれど。
消費者側に対しては、それで構わないだろう。
「つながり」なんかよりも、「機能」「性能」にこそ
関心があるのだから。
でも、設計者・施工者側としては
「つながり」を意識せざるを得ないし
意識せずに仕事を進めてしまうと
あとあと困ったことになるのだ。
(「ライニング内の配管」おわり)
【関連する記事】
設備設計見習いの者です。実際の施工状況を見る機会がないので大変勉強になります。
スタッドがあってランナーがあって切り欠いて穴開けて配管を通すのだな・・ふむふむと思いながら見ております。
こちらのライニングで配管サイズとライニングの仕上がり幅、LGSの寸法(幅)の関係はどれくらいなのでしょうか?ライニングを建築に要求する際になにか基準はあったりするのでしょうか・・??
ライニング幅は……直管とエルボが保温した状態で収まれば良いので
「関係」「基準」というほどのものではないです。
強度的に「もつ」かどうかは、建築屋さんに判断いただけば……と済ましてます。
この写真では、内装仕上げのスタッドに更に重ねてライニングを設けていますので
その分余裕があります。