「すすきの」の少し南に
中島公園という公園がある。
そこに、「豊平館(ほうへいかん)」なる建物が存する。
重要文化財である。
札幌市には「豊平」という地名が存在し「とよひら」と読むが
この館は「ほうへい」である。
明治14年にホテルとして建てられ、昭和33年に当地に移築され、
二度の大規模修復を経て現在に至っている。
明治天皇が泊まったりしたのであるが
その後旅館や料理店、公民館、結婚式場などとして使用されてきたという。
現在は、観覧・貸室施設である。
夜間にライトアップできるよう
屋外照明が設けられている。
放水銃も、屋外に設けられている。
屋内消火栓代替の消火設備である。
幾度もの修復を経て
鮮やかなウルトラマリンブルーのペンキが映えている。
現代であるからして、
バリアフリー対応も施されている。
後方にエレベーター棟が追加され
車椅子使用者でも2階に上がることができるようになっている。
これが造られる前は、ギイギイいう急な階段を上がっていくより他なかった。
中島公園内は、緑がいっぱいだ。
散策路が巡らされ、
池(ボートにも乗れる)や人形劇場、天文台などが散在している。
オブジェも設けられている。
折しも、百花繚乱。
季節感が溢れる、と言うべきか
季節感がバラバラ、と言うべきか。
とにかく、息せき切ったようにさまざまな花々が
いちどきに開く。
それが、北国の季節感だ。
細長い日本列島だから
土地土地の季節感がさまざまで
それが堪らなく嬉しいのだ。
(「中島公園内の豊平館」おわり)