今まで換気がなかった部屋に
換気を増設したい。
換気扇じゃなくて、ちゃんと熱交換したい。
だから、全熱交換ユニット(通称:ロスナイ)を新設することになった。
あいにく、外壁側はすべてガラス窓。
その上は、すぐ大梁である。
外壁に、ダクトを出すスペースが無い。
で。
採光・換気・排煙上、窓は足りているから
窓を一部潰して、ダクトを通すことになった。
給気と排気のダクトだから少しは離そうということで
800mmほど間隔を設けた。
天井高を確保するため、ダクトは露出とする。
となると、カーテンボックスが困るのだ。
仕方がないから、ダクトの下に設ける。
一応これで、カーテンが引ける。
建築と設備との「取り合い」として
結構出てくるコトである。
この「下部のカーテンボックス」が無いと、
・改修工事ができました。
・カーテンレールも付きました。
・カーテンを取付けました。
・あれっ? ダクトが邪魔で、カーテンを左側まで引けない!
なんて、
コントになってしまう。
人ごとだったら、笑って済ませられるけど
自分ごとだったら、笑っている場合じゃない。
結構出てくる取り合いのはずなのに、
設計図からは、結構漏れていたりするんだな、これが。
だから、施工者は大変なのだ。
「図面の通りにやっただけだから、オレは知らんね」
って、突っぱねるわけにもいかないし。
コストが厳しくなってきたこのご時世。
ホント、施工者は大変なのだ。
施工業者に対して見下すような態度を取る人もいるけれど
「設計」も、それはそれで必要な領域なのだと思うのだけれど
「ちゃんと使えるモノを作る」人が一番偉いんだと思う。
ちゃんとした技術と経験を持つ施工者は
どんなに物事が機械化されAIが普及したとしても、
仕事を奪われてしまうことはなかろう。
やはり最後には必ず「人の目」「人の手」が必要になるのだから。
(「新たにダクトを設けようとして」おわり)