「設備設計について不合理な建築士制度に
文句があるんだって?
そんな事は、四の五の言わずに
建築士を取ってから言え!」
そのように豪語(叱咤激励?)していた方がおられました。
「建築士が、設備をわかっていないって?
製図試験で設備に関して何も問われていないって?
学科試験で、ちゃんと知識を試してるんだよ。
機械室の配置とか、PSの配置とか、
製図試験でもちゃんと確認してるんだよ。
計画の要点など記述式の内容も増えて
設備に関して十分な知識があることを
確認してるんだよ。
文句あるか?」
文句あるかって、
水栓や照明器具やコンセントを平面図にプロットしただけで
「設備設計をやってます」とシレッとおっしゃるかたに言われても
あんまり説得力を感じないのではありますが。
まあ、建築士持ってないのは確かだし。
そこを突かれると、確かに分が悪い面もある。
すんごく過去の記事をご参照いただければおわかりになるかとは思いますが
ワタクシは、従来からの建築士制度に疑問を抱き続けております。
設備「だけ」の限定免許があっても良いのではないか。
っていうか、無くちゃダメだろう。
「設備設計は建築士の独占業務」という
形式ばかりで実態の伴わない規定は何とかすべきではないのか。
けれど、冒頭のように言われてしまうと
建築士免許を持っていないワタクシとしては
二の句を告げなくなてしまったのでございます。
建築設備士とか、一級管工事とか、技術士(衛生工学部門)とか
そういうのを持っていても、無価値とおっしゃる?
それらは民間資格とか施工者用の資格とかと同様の扱いで
「設計」に関する免許は「建築士」だけなんだから
こと「設計」に関しては意味のないものだ、とおっしゃる?
たしかに確かに、
建築士法にはそう書いてある。
ソクラテスさんじゃなくても、法律は絶対だ!
まあ、そういう形式的議論があるのは致し方ない。
「設計」欄にめくら判を押す「設計者」の建築士の方がいたとしても
それは個々の問題であって制度の問題ではないとおっしゃる。
「エネルギー」って何?
平気な顔でお尋ねになる、「ほんとに技術者なの?」と疑いたくなる
建築士の方がおられても、それはそれ。制度とは無関係とおっしゃる。
わかりましたよ、わかりましたとも。
取ったら、お話の土俵に乗ってくださるんですね?
自慢じゃないけど、意匠設計など関わったことが無かったから
学科試験も製図試験もかな〜りハードル高いけど、
取ったろうじゃありませんか。
まあ、それから幾星霜。
取ったんですけど。
設備一級も、取りましたけど。
で、あなたは?
十分な「設備設計実務(設備プロット図作成!)」があるんだから
設備一級なんて楽勝って言ってませんでした?
まあ、建築設備士もちょろっと取っちゃうよ、なんて
口滑らせてませんでした?
さて。
だいぶ以前なら、
口角泡を飛ばしてくだんの御仁に食って掛かっていたかもしれない。
でも、だんだんそんな事はどうでも良くなってきた。
人は人、自分は自分。
「設備なんて、建築のオ・マ・ケ」
って思っている人が居ても、まあ、いいや。
「建築士も持たないで設備設計をやってるヤツらは
法律違反の大悪党」
そう主張する人たちが居ても、まあ、いいや。
自分は取ったからね。
それに、そう主張する人に限って
非建築士に設備設計を外注してたりするしね。
ブーメランになってることに気づいてないだけだから
そっとしておいてあげたほうがいいかな。
なんか、そういうネガティブなことにエネルギーを費やすよりも
(あ、このエネルギーは物理的な意味ではありません)
もっと楽しいことに気持ちを向けたほうがいいや。
そう、「せつび」は楽しいんだから
自分が楽しんでいればいいじゃん。
それに、「建築士制度改悪」でしかないと思ってはいたけれど
ワタクシ同様に思った方々が他にもおられたからかどうか、
設備設計をやっている人で建築士を取る人が以前よりもだいぶ多くなったように感じるのです。
会社の必要に迫られてとか、設備一級が必要になったからとか
理由はいろいろだったとしても、この点に関しては良かったのだと思えるのです。
人材供給の観点からすると、まだまだまだなのだけれど、一歩前進した面もある、と
素直に評価できる部分も確かにあるのです。
冒頭の文句を付ける人が居なかったら
ワタクシ自身も力の入れようが違っていたかもしれないし。
そういう意味で、
ありがたいことだったのかもしれない、と
思えるようになってきたのであります。
たとい、反面教師だったとしても、
やはり人には学ぶべきことが多くある。
やっぱり、もっと謙虚に生きなきゃいかんな、と。
「どの口がほざくか!」と言われそうだけど。
そうだ。
ワタクシも、冒頭の御仁と
大した変わりはないのですよ、きっと。
自分にかかわりのあること、
関心の大きいことについては大きく見えるし
自分に関係の無い(と思っている)ことに対しては
大したことじゃないと無意識のうちに軽く考えてしまうものなのですよ。
冒頭のお話に、ワタクシはカチンと来たけれども、
ワタクシ自身、他の方にとってカチンと来ることを
いつだって言っているに違いないのです。
下手すると、ワタクシのほうが更に更に『豪語』しているのかもしれないのですよ。
自覚がないだけで。
この「自覚がない」ってのが、
一番やっかいなんでしょうねぇ。
(「建築士制度に文句があるなら……って言ってましたよね?」おわり)
でも、設備設計一級建築士(以下、設備一級)の取得を目指しています。
取得する理由は、確認申請の為というのが一番の理由です。
一定規模の建築の申請には必須だからです。
勿論、ご指摘の通り、自分で設備設計が全て出来るわけではありません。
その為、設備事務所さんの協力を得ております。
申請が建築設備士でも可能となれば、必要ありませんが、そうとはなっていません。
あと、一級建築士を取られたとのことなので、小さくていいので、RC造の建築設計を委託してもいいですか?
地盤の見極めから、構造的な検討(流石に構造計算を自前でしてほしいとは言いませんが)、内容の確認、解説までしてくれるのですよね?
そう言っているのと同義とわかっていて、「一級も取ってない設備屋」などと言われるのが嫌で、一級取ったのですよね?
物の見方が一方的過ぎて笑えます。
それと、中身の伴わない一級建築士の方が、事務所でも、現場でも、見くびられる事が多いと思いますよ。
試験に出てくる程度の基本的な建築基準法すら、ろくに覚えていない、名ばかり一級建築士に辟易しているのは、こちら側も同じです。
よくぞこんなゴミ記事を見つけてくださいました。ありがとうございます。
> そう言っているのと同義とわかっていて
ちょっと、ニュアンスが違うと思っております。
とにかくワタクシは、設備設計をしていたいだけなのです。
なのに「設備設計は建築士の独占業務だから建築士をもっていないヤツは極悪非道の無免許のモグリだ」なんて言われるからカチンと来たんです。でも、そういう法律になったから取ったまでのことです。
ただ、そういう人に限って、設備プロット図くらいしか描かないくせに「自分は設備設計の実務経験が十分にある」って仰るんです。
ワタクシは、建築設計の実務経験が十分にあるなんて言えっこありません。
ちょこっと平面引いたり、展開図描いたり、矩計起こしたりしたのなんて、ただの補助に過ぎません。飽くまで、設備、しかも機械設備が自分の領域なのですから。
> 物の見方が一方的過ぎて笑えます。
そうです。その通りなのです。
嘲笑してやってくださいませ。
ちょっぴり「お互い様じゃね?」と思うところも無いでもないのですけど。
> 勿論、ご指摘の通り、自分で設備設計が全て出来るわけではありません。
> その為、設備事務所さんの協力を得ております。
この部分には、ワタクシとしても主張したいことが多々あったものです。
「協力を得て」って、一体……?
けれどだんだんどうでも良くなってきたのは、
記事に書いた通りです。
> 名ばかり一級建築士
結局の所、資格は資格、実務は実務、なのですが。
建築士法及び建築基準法の要求を完全に満たしている、どこから見ても文句の付け所のない押しも押されぬ一級建築士なんていう方がいたら、それはすごいことだと思っています。
「自分こそ、そうだっ!」っていう方に、お会いしてみたいものです。
> 申請が建築設備士でも可能となれば、必要ありませんが、そうとはなっていません。
建築設備士を持っておられるのでしたら、設備一級なんて法適合確認だけですから、すぐに取得できます。確認申請もスムーズになることと思います。構造も持っておられる人は、一級・構造一級・設備一級と、毎年カネを払って定期講習を受ける羽目になるかもしれませんが……。