時々、いや、結構頻繁に
かわいそうな設備に出遭う。
もう、冷媒管カバーからして哀れだ。
劣化して、変色して、ひび割れて、ずり落ちて。
曲がり部分のエルボも外れ
更にずり落ちて。
架台のビスやアンカー金物は錆び錆びだし。
室外機本体も
凹んで、錆びて。
内部の熱交換器も
だいぶだいぶ傷んでる感じ。
「もののあはれ」ってやつだ。
まあそれでも、働けているうちは華なのかも知れない。
電気を食って騒音を出すだけで
肝心の機能はさっぱり……なんていう状態だったら
存在価値すら無いのだから。
というか、無いほうが良いことになっちゃうから。
人間だって……いや、やめておこう。
人間は、変わることができるのだ。
決して劣化するだけじゃないのだ。
たとい年齢を重ねたとしても。
あちこち傷んできたとしても。
きっと、質的に良い方向に変わることができるはずなのだ。
機械は治癒もしなければ、心を入れ替えることもないからね。
ヤツラは感受性なんてものを、持ち合わせちゃいないんだからね。
ああでも、いろいろ失敗をやらかすと
凹んじゃうなぁ。
ここの室外機みたいに。
(「凹んだ室外機がかわいそう」おわり)