『石山緑地』という場所がある。
交通の便が良くない場所だから、
レンタカーでもないと行きにくい。
碁盤の目の区域から外れた地区であるから
道もそんなにわかりやすくはない。
もっとも、ナビがあればどうにでもなるが。
札幌軟石の採石場跡を
公園として整備したものである。
札幌軟石とは、支笏火山による火砕流噴出物が固結してできた
溶結凝灰岩なのだという。
支笏湖から一体何十kmあるのか?
当時は阿鼻叫喚の大災害であったことだろう。
だが現在は石材として活用され、
あるいはこのように景観を利用した公園とされているのだ。
「公園」なのであるが「緑地」と称している。
そして、非常にアーティスティックなのである。
ちょっと傾けられた、ジャングルジム。
水平なものと異なり、
妙に登りにくかったりするが
それもまた面白い。
外側からしがみつくも良し、
内部に潜っていくも良し。
コンクリートの部分は、
足の踏み場である。
盛り上がっているのではなくて、
掘り下がっている場所。
『ネガティブマウンド』と呼ぶそうだ。
じゃんけんで勝ったら一段上がれる……そんな遊びを
子どもたちがしていた。
かなり、段数がありそうなのだが。
夏期には、
サザエのような塔から水が出て
このぐるぐる渦巻きを流れ下るらしい。
当たり前だが、
これらはみな「札幌軟石」で
造られているようだ。
大谷石や大理石でできていたら
そりゃ変だ。
暑い時期には
良い水遊び場になりそうだ。
親は、日差しを遮る場所が少なくて
大変そうだが。
ところどころに、
不思議なモニュメント。
なにか、生えてる。
なんとなく、ジブリ風味。
折しも、紅葉の時期であった。
いや、終わりかけか。
ベンチも、一風変わっている。
照明ポールの脚部も
こんな細工になっている。
誰かが壊したわけではない。
このように造形されている。
庭園灯も、
こんなふうになっていると、かわいい。
目地の合っていないマンホール蓋は、
敢えてか? 意図したものか?
それとも、面倒くさがり屋の、せつび屋さんが原因か?
観光ガイドで大々的に紹介されている場所でないと
観光客はそれほど訪れない。
でも、こういう所を期せずして見つけると
嬉しいものだったりする。
石山緑地、いかが?
日本全国、こういう嬉しい場所が、たくさんあるはずだ。
(「石山緑地という公園」おわり)