掘った後、躯体を構築していかなくちゃならないのだ。
切羽よりも、だいぶ手前の地点に
何やら作業構台が組んである。
右の看板には「インバート施工帯」とある。
そう、ここは、トンネルのインバートを
施工する区画なのである。
「せつび」の業界でインバートというと、
排水桝の中に形作られる「溝」のことなのだが
トンネルでは違うらしい。
どうやら、後志トンネルは「良好な地質」ではないようだ。
構台の、さっきと反対側。
上部にベルコンと換気ダクトも写っている。
構台の上に、
こんな細工がある。
城では、
攻めてくる敵を攻撃するための「石落とし」があるが、
そんな感じに見える。
実際には石ではなくて、糞尿とか煮えたぎった油とか
そういうものを流してぶっかける部分だったらしいが。
ここからは、糞尿を流したりはしない。
そうではなくて、コンクリートを流し込むための装置なのだ。
外から見ると、
こんな感じ。
配管やらケーブルやらが埋まらないように
高さを調節してある。
この構台自体、作業の進捗に伴って
徐々に先に動かされていく。
いろんな現場で、
いろんな工法が考案されているという。
建築でスラブコンクリートを打つような
事前の準備も行われていた。
コンクリートの質も全く違うものだから
施工性だとか留意事項だとか
かな〜り違うんだろうな。
打ち込みになる、何か?
よくわからんけど。
よく見ると、
底面はゴロゴロとした岩石である。
粗骨材というにはあまりに粗いが
単に埋めてしまうから良いんだろう、きっと。
いやあ、
土木技術者の知り合いがいると
いろいろありがたい。
こういうモノが見られる。
逆に「せつび」も見せてあげたいものだ。
彼ら・彼女らにしてみれば
「ミニチュア」のように見えるかもしれないが。
(「トンネルのインバート施工」おわり)
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