有明の滝は有る。
「道道」とは、「県道」に対応する名称だ。
青森「県」の管理下にある道路が「県道」
北海「道」の管理下にある道路が「道道」
東京「都」であれば「都道」、
京都「府」であれば「府道」だ。
でも、最初に「道道」という名称を見ると
かなり違和感を感じることであろう。
それはさておき、滝だ。
秋深まり、木々の葉もおおかた落ちつつある頃、
夏期であれば鬱蒼としているであろう森のなかに
この滝は存在している。
落差は13mというから、
そんなにすごい滝でも無いのだろうけれど
なかなかに美しいと感じた。
苔むす木の根も
雰囲気を醸し出している。
滝本体も、もちろん。
滝の上部も下部も、
小川である。
決して大きな流れではないけれど
火山岩体でできた落差を通過するゆえ
このようになる。
天候により水量の増減はあるにしても
途切れることなく流れ続けるこの水が
どのように生成して流れ下ってくるのか
教科書的に習って入るけれども
自然の妙、不思議さを考えざるを得なかったりする。
「自然はいいなぁ」と言いつつも
実はここに辿り着けるように整備された遊歩道のお陰だったりする。
滝の後退につれ、斜面の崩壊につれ失われていく滝の上部へと続く道も、
毎年春には状況を見て付替えをしている誰かが存在するはずだ。
道道沿いに設けられた駐車スペースも然り。
何も人の手が加わっていない「自然」は
人の目にも触れない。
探検家、冒険家、登山者、ワンゲル部員、測量部隊など
限られた人たちにしか知られない。
そこにある程度、何らかの手が加わると
一般市民の目に触れる機会が生じてくる。
かと言って、あまりに整備しつくされると
それはそれで興醒めだ。
まあ、勝手なものである。
(「有明の滝」おわり)