いわゆる「両用便器」というやつである。
立って、小便を。
上に乗ってしゃがんで、大便を。
両方に使えるよ、という、
段差をつけた和風大便器。
便器本体内に掃除口を設け、
詰まってもすぐに解消できるように
「汚垂れ」位置には、排水口も設けてある。
汚されても、すぐに洗えるように。
さて、公衆トイレというと、
洗浄力などの観点から「フラッシュバルブ」による洗浄に
なっていることが多いのだ。
「ブシュッ」と流れる洗浄力のほかに、
連続使用が可能だということもある。
しかし、このトイレは「タンク式」の洗浄なのであった。
タンクはどうやら、壁の中に設けてあるようだ。
勝手に触られたり壊されたりしないように
鍵付きの建具の中に隠されていて、
洗浄レバーだけが壁面に取り付けられている。
タンクに貯めてある水を、
レバー操作で流す。
一度流すと、タンク内に再度水が貯まるまでに
少々時間を要するのだ。
張り紙には「約4分」と記してある。
『大』の利用者が次々と訪れてしまうと、
水が貯まるのが間に合わず、
従って十分な洗浄が行われず、
紙やら汚物やらが便器内トラップや配管内に滞留して
詰まってしまうことになる。
水道事業者の指針や給水管路網の都合等により
直圧給水でのフラッシュバルブ使用に制限があったりすると
やむを得ず「タンク式」にせざるを得なくなる場合もあるから
ここの施設が「ダメ」なわけではない。
でも事情が許すならば
公共のトイレでは極力フラッシュバルブ式を選択したいものだ。
(「タンク式の公衆トイレは詰まりやすいかも」おわり)
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