博物館もあって。
博物館自体が、重要文化財でもある。
『現役の博物館建築としては国内最古である』と記されている。
洋風の建築物として、
なかなか趣のある建物である。
洋風で和風な、
そんな感じ。
この頃は、
現代のようないろんな製品が無かったから、
一つ一つの部品、装飾を
手作りしていったんだろうなぁと
感慨に耽りそうになる。
いちいち、
装飾がついているのだ。
そして、
手描きの図面にて
その意図が表現されていたのだ。
現代の建築とは、
全く別の代物と言えるのではなかろうか。
さて、館内は小ぢんまりとしており展示物もそう多くはないのであるが
植物園内の施設で「北海道らしさ」を感じることができるのは
確かである。
たとえば、入口すぐに立ち上がる、ヒグマ。
こういう、ショーケース的な箱に
剥製が並んでいる。
ツルだったり。
エゾオオカミだったり。
こんな連中が群れなしていた頃は
人間(や家畜)の生活も厳しかったであろう。
この2体は
明治初期に札幌市内で捕獲されたものであるという。
カラフト犬『タロ』も、いる。
そう、南極で共に生き残っていた『ジロ』は
ハチ公と一緒に、上野にいるのである。
中に入ることの出来る建物は博物館だけであるが
他にも重要文化財や登録有形文化財に指定されている建物が数棟、
移築保存されている。
植物園の植物と博物館の標本などをすべて見始めると
「ちょっとした空き時間に」眺める程度では済まなくなる。
本腰を入れてじっくり観察しなければならなくなる。
だから「ちょっとした時間」の時には、
エリアを決めて「この辺だけ観る」ようにしたら良いのかも知れない。
残りは、また違う機会があれば。
しかし、「また機会があれば」というところが
たくさんあり過ぎるなぁ。
人生、短か過ぎる。
せめて、1000年くらいあれば
何度でも、何箇所でも、
心ゆくまでに見られように。
……とは、言うまい。
しっかり観られれば、僥倖、
ちょろっとした見られなくても、それはそれで良し。
物事、それくらいが丁度良いのだろう。
(「北海道大学植物園内の博物館」おわり)