道行く人や車を見るのも良いけれど、
うっかり目が合ったら気まずいじゃないか。
だから、建物を見よう。
「せつび」を見よう。
建物の外観を見て、
その形状、ファザード、構成、デザインを見るのも一興。
でもでも、その外観に取り付いている
「せつびモノ」に関心を向けてみるのもまた
良いんじゃなかろうか?
たとえば、マンション。
各住戸には換気が必要で
住戸ごとに換気用の開口部があるはずなのだ。
左の建物では、外壁面に出てこないように
バルコニー下部に出すつくりになっている。
バルコニーがあるわけだから「フード」は不要で
ベントキャップが取り付けられている。
それに対して、右側の建物では
同様にバルコニー下部に出している換気であるが
「フード付」のベントキャップを採用している。
陰になってあまり目立たない場所だから
あんまり気にならないかも知れない。
一方、外壁に換気フードを並べている建物も
たくさんある。
この建物の換気用フードは、
平べったいタイプだ。
「防風板付」である。
また、FFストーブ用の給排気トップが並んでいる。
灯油焚きかガス焚きかは、
これだけでは判別できない。
最初の写真左側のマンション、
1階部分はテナントになっている。
テナント部分は、換気フードがそのまま外壁についている。
バルコニーが無いから、仕方がない。
バルコニードレンの落とし所が無くて、
外壁に出してしまっているのもわかる。
この1本くらい通すスペースはあっただろうに
気づいた時には遅くって
外壁に出すしか無かったんだろうか。
テナント看板用の電源も
後付けである。
奥の建物外壁には
丸い換気フードが各階同じ位置にずらりと並んでいるが
手前の3階建の建物にはそれがない。
四角いフードがちょろっとついているだけ。
古い建物だと、各居室に換気用の機器を設けたりしないから
壁の1箇所にレジスターだけ、ということもある。
それでも、外壁にはルーフドレンの配管やら梯子やら
室外機やら電話線やらTVアンテナやら
いろんなモノが取り付いているのがわかる。
集合住宅ではないオフィスビルになると
外壁に換気フードなど見えないことが多い。
塔屋階とか、広い通りに面していない部分の外壁とか
目立たないところでまとめて給排気しているから
ぱっと見では換気口が無いように見えるものだ。
このホテルもそうだ。
ビジネスホテルとか、
比較的価格帯の低い建物だと
客室ごとに換気フードがついていたりするが
ちょっと高級感を持たせたい建物であれば
そういう無粋なことはしないものだ。
ほんとうに、
ちょっと見渡しただけでも
建物の外観は、そしてそれに取り付く「せつび」たちは
多様だ。
今日も、
きょろきょろ建物を見渡しながら歩くのだ。
キョロ充なのだ。
(「外壁に取り付くモノたち」おわり)
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