1ヶ月以上が経過した。
「北海道地震」という呼び方が
すっかり定着してしまった。
してしまったけれど、
敢えて言いたい。
『北海道地震』と呼ばないで!
「だってさ、胆振(いぶり)ってどこだかわからないじゃん?」
「北海道なら、みんなわかるから呼びやすいし」
そんな理由で「北海道」呼びをするんだろうか。
日本の総面積は、約378,000km2
北海道の面積は、83,424km2 で、
日本全体の22%超である。(それぞれ、北方領土を含む)
日本全体の4分の1にもなろうかという広域面積で呼ばなきゃならないほどの
巨大地震だったと言うのだろうか?
「東北6県+新潟県」よりも広いのに?
「関東甲信+北陸」よりも広いのに?
「近畿+東海4県+四国+岡山」よりも広いのに?
「九州+中国+愛媛」よりも広いのに?
地震の規模(マグニチュード)も比較してみて欲しい。
マグニチュードが 0.2 増えるごとに、
地震の規模は2倍になる。対数計算なのである。
マグニチュードが 1.0 増えると、規模は32倍。
2.0 増えると、1,024倍だ。
最大震度は 7 であったとしても、
地震そのものの規模(エネルギー)は格段に違う。
そして、その領域の面積や人口も
比較してみてほしいのだ。
(東北地方は県がたくさんあるので、省略)
平成30年(2018年)北海道胆振東部地震
最大震度 7
モーメントマグニチュード 6.6
気象庁マグニチュード 6.7
北海道の面積 83,424km2
北海道の人口 5,312,763人(2018.8.31)
平成28年(2016年)熊本地震
最大震度7
モーメントマグニチュード 7.0 (胆振東部の4倍の規模)
気象庁マグニチュード 7.3(胆振東部の8倍の規模)
大分県でも大きな被害があったため
大分では「熊本・大分地震」と呼称するとも言う。
熊本県の面積 7,405km2
熊本県+大分県の面積 7,405+6,341=13,746km2
熊本県の人口 1,756,861人(2018.9.1)
熊本県+大分県の人口 1,756,861+1,142,804(2018.9.1)=2,899,665人
(人口は、各県公表の人口推計による)
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震
最大震度 7
モーメントマグニチュード 9.0 (胆振東部の4,096倍の規模)
気象庁マグニチュード 8.4 (胆振東部の362倍の規模)
なお地震の規模については、計算方法や評価手法その他
要素がいろいろあるので大雑把な傾向と捉えていただくしかなかろう。
(あまり詳しくない。申し訳ない)
さて、上記の数字を見て、
どう感じられるであろうか。
それでも、『北海道地震』の呼称が良いと思われるであろうか。
ワタクシは、そんな呼び方やめてほしいと思う。
日本の位置さえよくわらかない、
外国人じゃないんだからさ。
そんなに広域をまとめて呼びたきゃ、
『東アジア地震』とでも呼べば良いのだろうか。
ああ、そうか。
『内地』の人々にとっては
北海道は外国なんだ。
どこにあるか良くわからない、
何か北のほうにちょこんとあるはずの
広さも距離も人口も見当がつかない
そんな存在なんだろう。
羽田から飛行機で1時間半、
すぐ行けるのにね。
(「『北海道地震』と呼ばないでほしいのに」おわり)
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